検死とは?時間や費用、必要となるケースについて解説
故人が亡くなった際は、死亡に立ち会った医師により死亡診断書を受け取り、葬儀などの予定を組みます。
しかし、自宅で死亡した場合など、死亡状況によっては死因が特定できないこともあり、検死が必要な場合も多いです。
死因が特定できない場合は、警察や医師の立ち会いのもと遺体を調べられることがあります。
いざ故人が検死に回されることになった際に慌てなくてもいいように、あらかじめ検死の流れを確認することは大切です。
この記事では、検死の内容や費用、基本的な流れについて説明します。 最後まで読み、もしもの場面で役立つように参考にしてください。
目次
検死とは
検死とは、以下の3つのことを指しています。
- 検視
- 検案
- 解剖
それぞれの行為には違いがあるため、どのような内容において差があるのか、見ていきましょう。
検視
検視は、警察職員や検察官がおこなう遺体調査です。
犯罪に巻き込まれたかどうかを判断するための刑事手続きの一種とされています。
特に、犯罪や自殺、持病に関係のない突然死など、死因が分からない場合は検視しなければなりません。
犯罪性や事件性がないと確認できた場合でも、死因を究明するためには検視が必要です。
遺族の方の多くが「遺体を検視してほしくない」と感じるかもしれませんが、警察に依頼された場合はできる限り協力しましょう。
検案
検案は、検視の結果により得られた死因の情報や、死亡推定時刻を解明するための行為です。
検案では、監察医や法医学者が遺体を調べ、死体検案書を作成します。
死亡診断書と内容はほぼ同じですが、死体検案書は監察医が書く書類です。誰が作成するのかに違いがあります。
死体検案書は、死亡診断書と同様に死亡届も同時に渡されるため、紛失しないように気を付けてください。
死亡届は遺族が書く必要があります。葬儀が行われる前日までに忘れずに記入し、役所に提出しましょう。
解剖
検案の結果次第では、解剖がおこなわれます。
解剖とは遺体を切開することで、死因を究明する行為です。
また、解剖にも種類があります。死因を究明するための解剖が法医解剖です。
さらに、法医解剖は以下の3種類に分けられます。
- 司法解剖
- 行政解剖
- 病理解剖
事件性があると判断された場合は、司法解剖がおこなわれます。
事件性とは他殺や事故死などを指しますが、自殺で亡くなった場合も司法解剖です。
しかし、必ずしもすぐに全員が司法解剖されるわけではありません。
まずは警察が事件性の有無を判断し、裁判所に鑑定処分許可状という書類を要請する必要があります。
書類が発行されれば、司法解剖がおこなわれる流れです。
また、行政解剖は事件性がない場合におこなわれる解剖です。
新法解剖も同様に、事件性がない場合におこなわれますが、新法解剖は警察署長などの判断のもとにおこなわれます。
どちらも遺族の承諾は不要です。
両者の違いとしては、行政解剖は死体解剖保存法、新法解剖は死因・身元調査法に基づきおこなわれる点が挙げられるでしょう。
検死にかかる時間と費用について
検死には時間がかかり、費用も発生するためあらかじめ確認しましょう。
いざ検死が必要となったときに焦らずに対応するためにも、事前の確認が大切です。
時間は犯罪性の有無によって異なる
犯罪が関わっているかどうかで、検死にかかる時間は異なります。
仮に犯罪性がないと判断された場合は解剖まではおこなわれず、検視や検案で終わることがほとんどです。
この場合、早くて半日、遅くても数日以内には終わるでしょう。
一方、犯罪性があると判断された場合は解剖までおこなわれます。
解剖をおこなうことが決定されると、遺体の搬送に時間もかかるため、数日以上はかかるでしょう。
仮に遺体の損傷が激しい場合はDNA鑑定も必要です。
鑑定結果が出るまでに数日、遅くても一か月はかかります。
犯罪が絡んでいると判断された場合は、遺体が戻ってくるまで時間がかかることを覚悟する必要があるでしょう。
犯罪性の有無によって検死にかかる時間は異なるため、その期間中に準備すべきことを進めるのが大切です。
費用は基本的に自治体が負担
検死にかかる費用は自治体によって異なりますが、相場は約3万円とされています。
検案料として2~3万円、死体検案書発行料として5,000~1万円がかかる場合が多いです。
地域によっては全て負担してくれるところもありますが、一部は自費のところもあるでしょう。
また、遺族が全額負担しなければならない地域も存在します。
自治体によって検死にかかる費用はさまざまです。詳細については自治体に問い合わせましょう。
検死の基本的な流れ
検死の基本的な流れを見ていきましょう。
死亡状況によって具体的な検死の流れは異なります。
しかし、どのような流れで検死がおこなわれるのか知っておけば、いざ検死が必要となったタイミングでも焦ることがありません。
流れ①:死亡場所を調査する
病院での死亡以外は、一度警察職員が死亡場所を調査します。
死亡場所を調査し、死亡状況を把握することで、どのように死亡したのかを確認することが可能です。
自宅で死亡した場合でも、突然死として受け取られるため、必ず警察に連絡してください。
この場合も死亡調査となるため、警察の調査の妨げにならないように、遺族は遺体に触れないよう気を付けましょう。
ドライアイスなどで遺体を保存することも原則禁止です。
遺体を見つけた際は動揺するかもしれませんが、いち早く死因を究明し故人を弔うためにも、迅速な対応が求められます。 焦らずに警察に連絡し、死亡調査してもらいましょう。
死亡調査が終わり次第、遺体は一度、警察署の霊安室へ搬送されます。
流れ②:死因を診断する
警察署に遺体が搬送された後、医師が遺体の死因を診断します。
仮に病死だったとしても、まずは医師によって死因の診断がされますが、異常死と診断された場合は検視や検案が必要です。
例えば、以下の死亡の場合、検視や検案がおこなわれます。
- 感染症による死
- 中毒死
- 事故死
- 自殺
- 災害死
- 身元不明な方の死
検視により死亡推定時刻、死因が特定されたあとは死体検案書が発行されます。
死体検案書が発行された後は遺体が遺族の元へ戻されるため、この期間に葬儀社を決めておくとスムーズです。
流れ③:ご遺体を斎場や故人の自宅へ送る
検死が終われば、警察署から葬儀社を通じて故人の自宅へ遺体が戻されます。
斎場への搬送も可能なため、どこに搬送するかあらかじめ決めておきましょう。
遺族が希望する葬儀社があるかどうか、警察署から連絡が来ることも多いです。
もしも葬儀社を決めていた場合は、この連絡が来た際に伝えるとスムーズに進みます。
仮に葬儀社が決まっていなかったとしても、警察署が近隣の葬儀社を手配してくれるため安心です。
検死中は、随時警察に連絡し進捗状況を聞くことができます。 予定が不透明なままだと、この先どうやって葬儀を進めれば良いのか分からず不安に感じることもあるでしょう。
不安を解消し、遺体が戻ってきた後もすぐに葬儀ができるよう、早めに葬儀者に連絡することが大切です。
また、以下の記事では葬儀の流れを詳しく説明しています。 検死の後にスムーズに葬儀を執りおこなえるよう、流れを確認しておきましょう。
【関連記事】葬儀の流れを徹底解説!日程と費用もご紹介
検死中に葬儀社を決めておくと良い
検死中は、葬儀社をすでに決めておくと、遺体が戻ってきた後もスムーズに葬儀を進めることができます。
検案で終わる検死であれば1日で終わることも多いため、事前に葬儀社を決めておくことがおすすめです。
また、検死が終わった後は、遺体を引き取る人の身分証明書や印鑑が必要であり、費用が必要な場合は現金も用意しなければなりません。 準備すべきことが多く、慌ててしまうこともあるでしょう。
そのため、あらかじめ葬儀社を決めておくことで、余裕を持った用意ができます。
斎奉閣では、24時間365日無料事前相談が可能です。 遺体が戻ってくるまでに葬儀社を決めなければならないと不安に感じている方は、一度相談してください。
また、急ぎの場合も対応しており、ご遺体を24時間いつでも自宅もしくは式場までお送りすることが可能です。
なお、斎奉閣は三重県下に22会館あります。
近隣で利用できる会館がないか、まずは各会館ページを確認してみるのもおすすめです。
まとめ:検死について
検死は、遺体の死因を調査することであり、検視、検案、解剖の流れにそっておこなわれます。
検死が終わった後は、遺体を引き取り葬儀を執りおこなうことが必要です。
検死中は不安なことだらけかと思いますが、スムーズに葬儀を進めるためにも、あらかじめ葬儀社を決めておきましょう。
検死中の不安を少しでも和らげるために、ぜひ一度お問い合わせください。
斎奉閣は急ぎの場合も対応可能です。待機しているスタッフが、24時間365日受け付けています。
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