自宅で行う家族葬とは?メリットや注意点を解説|弔電・香典のマナーも
家族葬は、家族や親しい方だけの少人数で行う葬儀です。
家族葬を自宅で行えば、住み慣れた場所で静かに故人を見送れるため、遺族にとって特別な時間になります。
しかし、一般的な葬儀とは異なるマナーや気遣いが求められ、特別な場であるがゆえの注意点があるのも事実です。
この記事では、自宅で行う家族葬の特徴や流れのほか、メリット・デメリットや注意点を解説します。
実際に自宅で葬儀を行う際の注意点や弔電や香典のマナーもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
自宅で行う家族葬とは
自宅で行う家族葬とは、その名の通り故人が長年住んでいた家で通夜や葬儀を行う葬儀スタイルです。
「自宅葬」とも呼ばれ、アットホームな空間で家族葬を執り行いたいと考える人に選ばれています。
ここでは「自宅で行う家族葬」とは何か、以下の3つの視点で解説します。
- 特徴
- 一般的な流れ
- 費用相場
それぞれを詳しく見ていきましょう。
特徴
自宅で行う家族葬は形式に縛られず、故人や家族の希望に沿った自由な形でお別れができます。
自宅というリラックスした空間で、故人が好きだったものや思い出の品を飾りつけるなど、遺族の想いを反映した空間を自由に演出できるでしょう。
このように自由度が高いこともあり、コロナ禍以降、密を避けたいという理由や「生前過ごした家から送りたい」という希望から、自宅で行う家族葬が注目されています。
なお、ひと昔前は地域の人が協力しながら自宅で葬儀を行うのが一般的でした。
しかし、以下を考慮して、現在では斎場や葬儀場で行うケースが増えています。
- 都市化
- 核家族化の進行
- 遺族の負担軽減 など
自宅で行う家族葬は身内だけで行う葬儀ではなく、故人と過ごした思い出のある家から見送るという意味合いが強いといえるでしょう。
一般的な流れ
自宅で家族葬を行う際の一般的な流れは、以下の5ステップです。
- 葬儀社への連絡
- ご遺体の搬送・安置
- 葬儀社との打ち合わせ
- 通夜・葬儀告別式の準備
- 参列者対応や儀式の進行
自宅で行う家族葬であっても、通夜や告別式の流れ自体は斎場での葬儀とほとんど変わりません。
しかし、祭壇の配置や弔問客の動線など、自宅特有の問題に対応する必要があります。
なお、葬儀社を利用せずに家族が主体となって準備を行う選択肢もありますが、すべての対応を遺族がする必要があります。
コストを抑えられる一方で、準備には多大な時間と労力がかかるため、遺族にとって大きな負担となるでしょう。
葬儀社を利用する家族葬の流れを知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
【関連記事】家族葬の流れとは?通夜なしの流れや葬儀社の選び方を徹底解説
費用相場
業者に依頼する範囲によって料金が異なりますが、自分たちで準備を進める場合、火葬費用を除けば10万円台で葬儀を行えます。
自宅葬では会場費や安置費用が不要になり、全体的な費用を低く抑えられるためです。
一般葬の費用相場が飲食や返礼品を含めて200万円程度とされているなか、自宅葬にすることでその半分以下のコストで葬儀を行えます。
ただし、すべてを自分たちで手配するには手間がかかって慌ただしく、故人を見送る余裕がなくなりかねません。
自宅で行う場合であっても、葬儀の準備は専門業者に依頼することをおすすめします。
家族葬の費用負担を軽減したい方は、以下の記事をぜひ参考にしてください。
【関連記事】家族葬の費用を安くする方法7選|費用の相場や注意点も紹介
家族葬を自宅で行うメリット・デメリット
家族葬を自宅で行う場合は、以下の2つを把握しておくことも大切です。
- メリット
- デメリット
それぞれの特徴を理解することで、自宅での家族葬が自身や家族にとって適しているかを判断できるでしょう。
メリット
家族葬を自宅で行うメリットは、主に以下の4つです。
- 慣れ親しんだ自宅に故人を帰してあげられる
- 時間を気にせず最後のお別れができる
- リラックスした環境で葬儀を執り行える
- 葬儀会館などの使用料がかからない など
通夜・葬式は、故人と遺族が最後に過ごす特別な時間です。
しかし、一般的な葬儀では、参列者への対応や慣れない環境での気遣いが多く、遺族にとって心身の負担となるケースも少なくありません。
自宅で行う家族葬は慣れ親しんだ空間で行うため、参列者も限られ、気を使う場面が少なくなります。
知り合いだけが集まることで、堅苦しさが和らぎ、より穏やかな雰囲気でお別れができるでしょう。
デメリット
家族葬を自宅で行うデメリットは、主に以下の4つです。
- 自宅の広さや設備によっては、対応が難しい場合がある
- 近隣住民への配慮や挨拶が必要になる
- 自宅の片付けや準備に手間がかかる
- プライベート部分が見られる可能性がある など
たとえ少人数の親しい人を招く場合でも、お茶やお菓子を提供するなど、来客への接待が必要です。
斎場での葬儀と異なり、家族がすべての作業を負担する必要があると理解しておきましょう。
家族葬を自宅で行う際の注意点
家族葬を自宅で行う際に注意すべきポイントは、以下の2つです。
- 自宅で葬儀ができるか事前に確認する
- 近所の人に挨拶しておく
それぞれを詳しく見ていきましょう。
注意点①:自宅で葬儀ができるか事前に確認する
自宅で葬儀を行う場合、以下の広さはもちろん、場所として適しているか確認することが大切です。
- 部屋
- 廊下
- 玄関 など
葬儀を執り行う部屋の広さが6畳以上あるか、玄関が棺やストレッチャーが通るに十分な広さであるかをチェックしましょう。
なお、家の構造により、以下のスペースが異なります。
- 祭壇の設置方法
- 受付の場所
- 食事をする場所
住宅形式に応じた具体的な確認事項は、下表のとおりです。
住宅形式 |
確認事項 |
戸建て |
・玄関や廊下の幅が十分か |
マンション |
・マンションの規約に反していないか |
賃貸物件 |
・集合住宅の規約に反していないか |
事前にしっかりとチェックして、故人を見送る環境を整えましょう。
注意点②:近所の人々に挨拶しておく
家族葬を自宅で行う際は、以下の理由から近隣住民への配慮が必要です。
- 参列者や業者の出入りが頻繁
- 僧侶の読経
- 焼香の香り
- 車の駐車 など
なお、近隣の人が焼香を希望されるケースもあるため、どのように対応するかを事前に決めておくことが大切です。
もし弔問をお断りする場合は、その旨を丁寧に伝え、家族葬を行う理由や感謝の意を表す言葉を添えることで、良好な関係を維持できるでしょう。
自宅で行う家族葬に関するよくある質問
自宅で行う家族葬に関するよくある質問は、以下の2つです。
- 自宅への訪問(弔問)は控えるべき?
- 弔電や香典は自宅に送ってもよい?
それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
質問①:自宅への訪問(弔問)は控えるべき?
家族葬は、参列者の人数を制限することが一般的です。
そのため、遺族から案内がなければ、参列や弔問は避けるのがマナーです。
訃報を電話や対面で直接聞いた場合は、参列しても問題ありません。
しかし、手紙で訃報を受け取ると参列すべきか迷うこともあるでしょう。
訃報に加えて葬儀の日程が記載されていれば、遺族から「参列をお願いしたい」という意思表示だと考えられます。
家族葬との付き合い方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】家族葬と言われたら参列すべき?参列する基準やマナー、注意点について解説
質問②:弔電や香典は自宅に送ってもよい?
自宅で行う家族葬では、遺族の意向により香典や供花を辞退するケースが一般的です。
訃報に「弔電・香典辞退」の記載があれば、控えたほうがよいでしょう。
辞退の案内がない場合は、故人との関係性に応じた金額を包むことが適切です。
仮に、辞退の連絡があるにも関らず香典や供花を贈ると、かえって遺族の手間を増やしてしまうので気をつけましょう。
家族葬での香典マナーについて振り返りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】家族葬で香典は必要?香典の相場やマナー、香典返しについて徹底解説
家族葬を自宅で行うか迷っている人は
自宅での家族葬は、故人との大切なひとときを、心の余裕を持って過ごせます。
親しい家族だけで行うため、気を使うことなく、自分たちの思いを大切にした葬儀が実現できます。
しかし、以下の要素によって注意すべき点が異なります。
- 住宅形態
- 間取り
- スペース など
小さな疑問が不安に変わる前に、親身になってサポートしてくれる葬儀社の力を借りて、葬儀の準備を進めることが大切です。
なお、斎奉閣は三重県内で22会館を展開し、葬儀施行数No.1(※)の実績を誇る地域密着の斎場です。
※当社調べ/2022年1月~12月の四日市市、いなべ市、東員町、桑名市、菰野町、亀山市、津市、名張市、伊賀市内の斎奉閣・和ごごろ22会館合計葬儀施行数
ご遺族に寄り添い、安心して大切な方を見送れるよう、全力でお手伝いいたします。
故人とのお別れを心穏やかに迎えたい方は、ぜひ斎奉閣の家族葬をご検討ください。
まとめ:自宅で行う家族葬について
自宅で行う葬儀は、家族葬の中でも自由度が高いお見送り方法です。
慣れ親しんだ自宅で見送れれば、故人もきっと喜ばれることでしょう。
しかし、参列者を自宅に招待する際は、片付けやおもてなしの準備が遺族にとって思いがけない負担をもたらすことがあります。
葬儀専用の設備が整った斎場と、自宅の温かさ、両者のメリット・デメリットをしっかり把握したうえで、葬儀の形を選択することが大切です。
家族葬について不安や疑問がある方は、斎奉閣の事前無料相談をご利用ください。
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この記事の監修者
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お葬式について
この記事の監修者
藤田悠
四日市地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター