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家族葬と言われたら参列すべき?参列する基準やマナー、注意点について解説

公開:2023.03.28

家族葬と言われたら参列すべき?参列する基準やマナー、注意点について解説 近年では一般的な葬儀ではなく、ごく近しい身内のみで執りおこなう家族葬が人気を広げつつあります。

遺族の負担が軽減されることや、さまざまな社会情勢を考えたときに利便性が高いことが、家族葬を選ぶ方が増えている主な理由です。 しかしまだ家族葬についてよくわからない方も多いのではないでしょうか。
家族葬に慣れていない場合、葬儀の通知が来たとき参列すべきか迷うこともあるかもしれません。
また参列するにしても、一般的な葬儀と比べてマナーなどの注意点にどのような違いがあるのか分からず、不安を抱いてしまうこともあるかもしれません。

この記事では家族葬と言われたときに参列するしないはどのように決めるべきか、その際にどのようなマナーに注意すればよいか、といったことについて解説します。

最後まで読むことで、家族葬との付き合い方がしっかりと理解できるようになるでしょう。

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家族葬とは

家族葬とは 家族葬とは、葬儀に参列する人物をごく親しい親族や友人などに限定することで、遺族に負担のかからない小規模な形で故人を送り出す葬儀のことです。

一般的な葬儀では、基本的に参列者に制限はありません。
故人を見送りたいと思う方であれば誰でも参加できます。
しかしそのことによって葬儀を執りおこなう側の負担は大きくなり、金銭的にも精神的にも負担がかかってしまいます。
家族葬はごく近しい間柄の者たちのみでおこなうものであるため、負担が少なく、より落ち着いた形で故人を送り出せるのがメリットです。

また形式にとらわれない葬儀が可能となるため、「故人が好きだった音楽をかけながら皆で思い出話を語りあう」といった内容にできるのも大きなポイントでしょう。

家族葬についてのより具体的な情報は、以下のページを参考にしてください。

【関連ページ】家族葬とは  

家族葬と言われたら参列する?

家族葬と言われたら参列する? 自分に近しい方が亡くなり、ご遺族の方から「家族葬にする」と言われた場合、参列するかしないかの判断基準が難しいと考える方も多いのではないでしょうか。
ここでは以下の項目に分けて、参列するしないの判断基準について解説します。

  • 呼ばれたら参列する
  • 葬儀会場や日程が書かれていない場合は参列しない
  • お通夜には参列すべき?

あくまでも一般論であり例外はあり得ますが、ここで解説する内容を基準に判断すれば大きく間違えることはないので、しっかり読んで把握しておきましょう。

【関連記事】葬儀に参列する際のマナーとは?服装や香典のマナーを解説  

呼ばれたら参列する

家族葬の形式で葬儀を執りおこなうと伝えられたとき、参列してほしいと直接呼ばれたのであれば積極的に参列しましょう。

呼ばれたということは、ご遺族の方から「故人にとって大切な人だった」と判断されたということです。
気持ちに報いるためにも、ぜひ葬儀に参列して、故人と最後の時間を過ごすべきでしょう。

また直接呼ばれたのでなくても、送られてきた通知に葬儀会場や日程が書かれているのであれば、参列を求められていると解釈して問題ありません。
家族葬は人数を限定しておこなうものであり、呼ぶつもりのない相手には日時や場所を伝えないのが基本です。

【関連記事】家族葬の服装やマナーについて立場別にわかりやすく解説  

葬儀会場や日程が書かれていない場合は参列しない

故人が亡くなったという通知を受けたけれども、葬儀会場や日程が具体的に記載されていなかった場合には、参列しないほうがよいと判断するべきでしょう。

詳細を明かさないということは、近親者のみで葬儀を執りおこなうつもりであると解釈するのが妥当です。
また通知のなかで具体的に「参列を辞退してほしい」旨が記載されている場合もあります。

もちろんその場合にも参列するのは控えておきましょう。  

お通夜には参列すべき?

家族葬にもお通夜と葬儀の両方がありますが、お通夜に参列すべきであるかは基本的に「呼ばれているかどうか」で判断しましょう。
ご遺族から参列することをお願いされたり、通知のなかにお通夜の具体的な案内が記載されている場合には、ぜひ足を運ぶべきです。

反対に具体的な日程や会場についての案内が記されていない場合には、ごく近しい者たちのみでお通夜を執りおこなうつもりだと解釈し、参列は控えておくべきでしょう。  

家族葬に参列する際のマナー

家族葬に参列する際のマナー 家族葬に参列する際のマナーとして覚えておくべきものは、主に以下の3つです。

  1. 準喪服を着用する
  2. 香典は用意しておく
  3. 家族葬があったことを言わない

順番に見ていきましょう。 【関連記事】家族葬のマナーを立場別にわかりやすく解説|参列の判断や注意点も  

準喪服を着用する

家族葬に参列する場合の服装としては、準喪服が基本となります。
服装の点では一般葬も家族葬も違いはありません。

男性の場合は白いシャツを着用し、スーツや靴などはすべて黒で統一します。 女性はできるだけ肌の露出を抑え、服や靴・ストッキング・バックなどをやはり黒で統一します。 中学生・高校生の場合は、普段学校に着ていく学生服で問題ありません。 学生服がない場合には、大人と同じように黒や紺などの暗めの服を選びます。  

香典は用意しておく

家族葬に参列する場合にも、一般葬と同じように香典は用意しておきましょう。
遺族が香典について何も通知していないのであれば、香典のやり取りについては一般葬と変わらないと考えるべきです。

一方で、通知のなかに香典の受け取りを辞退する旨が記載されているのであれば、香典を持参する必要はありません。
香典の費用相場についても、家族葬と一般葬とでとくに違いはありません。

故人が両親であれば5~10万円、祖父母や兄弟であれば3~5万円、親戚であれば1~5万円あたりを基準に考えておきましょう。

【関連記事】家族葬で香典は必要?香典の相場やマナー、香典返しについて徹底解説  

家族葬があったことを言わない

家族葬があったことは、安易に言いふらさないようにしましょう。
家族葬は基本的に故人と近しい者たちだけで静かに執りおこなうものなので、故人を知っていたにもかかわらず呼ばれなかった方が必ずいます。
その方が家族葬のことを知った場合、なぜ自分は呼ばれなかったのかと不満を抱き、トラブルに発展する可能性も考えられます。

ご遺族の今後の人間関係に関わることがあるため、慎重に行動するべきです。  

家族葬に参列しない際のマナー

家族葬に参列しない際のマナー 家族葬に参列しない場合のマナーとして、主に覚えておくべきなのは以下の3つです。

  1. 香典は控える
  2. 供花・弔電を送る
  3. ご遺族の意向にあわせる

いずれも大切なことなので、しっかり把握しておきましょう。  

香典は控える

家族葬に参列しなかった場合には、香典を用意する必要はありません。
渡したい気持ちがあったとしても、あえて控えておきましょう。
ご遺族は家族葬を選んだ時点で参列者を限定しているので、香典返しについても人数を決めて準備している可能性が高いといえます。
想定外の人物から香典を渡されると、改めて香典返しについて考えなければならず、ご遺族にとって負担となってしまいます。
香典は参列した場合のみ用意するようにしましょう。  

供花・弔電を送る

葬儀に参列しないけれども、故人に対する弔意を伝えたいのであれば、供花や弔電を送りましょう。
ただし、必要以上に高価になりすぎないよう注意が必要です。
あまり高価なものを送ってしまうと、静かに葬儀を進めたいと考えているご遺族の心理的負担になってしまうからです。  

ご遺族の意向にあわせる

一般葬にも当てはまることですが、葬儀においてはご遺族の意向にあわせることが何よりも大切です。
「一般的な葬儀においてはこうだ」という考えがあったとしても、ご遺族がそれを望んでいないのであれば、素直に控えておきましょう。
家族葬を選んだということは、ご遺族は負担の少ない形で葬儀を進めたいと判断したのだと考えられます。
ご遺族の気持ちを最大限に汲み取り、余計な気を遣わせないよう振る舞うことが大切です。  

葬儀後に弔問する場合の注意点

葬儀後に弔問する場合の注意点 葬儀のあとに弔問する場合の注意点としては、以下の2つが挙げられます。

  1. 事前に確認する
  2. 普段着を着用する

順番に見ていきましょう。  

注意点①:事前に確認する

葬儀のあとに弔問するのは、日常へと戻ったご家庭にお邪魔する行為にあたります。
突然押しかけられたら迷惑になるのは言うまでもありません。
弔問の際には、事前にその旨をご遺族に通知し、承諾をもらってから訪れるようにしましょう。  

注意点②:普段着を着用する

弔問の際には、喪服などを着る必要はありません。
それなりに慎ましさのある普段着を着用して訪れましょう。
弔問はあくまでも新たな日常生活を送っているご遺族の家庭にお邪魔する行為であるため、喪服などを着るのは過度にかしこまった行為となります。
あくまでも日常の枠組みのなかで、故人への弔意を伝えることが肝心です。  

マナーを守って家族葬に参列しよう

マナーを守って家族葬に参列しよう ここまで解説してきたマナーを守ってさえいれば、家族葬でも迷うことなく振る舞えるようになるでしょう。

家族葬ならではの注意点を一言でまとめるのであれば「一般葬よりいっそう強くご遺族の意向にしたがうべきである」となります。
家族葬を選んだということは、負担の少ない形で静かに故人を送り出したいと考えたと解釈できるので、重荷にならないよう慎重に行動する必要があるからです。
しかしご遺族の気持ちをしっかり汲んで行動している限り、家族葬と一般葬の違いをとくに強く意識する必要はありません。

故人を静かに送り出したい気持ちは、親しいものであれば皆同じです。
その気持ちを大切にしましょう。  

まとめ

まとめ ご遺族から家族葬にすると言われた場合の振る舞いについて、家族葬の特徴やマナーの観点からさまざまなことを解説しました。

近年では家族葬の割合が少しずつ増えており、これまで経験がなかったとしても、これから家族葬に参列する機会はたくさん訪れることでしょう。
その際に無用な不安を抱かないよう、あらかじめ家族葬について把握しておくことはとても有益です。

この記事を参考にして、家族葬と言われた場合にも問題なく応じられるようになっておきましょう。
また葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。
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  この記事の監修者

竹森資洋(たけもり たかひろ) 名張・伊賀地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター