お布施とは?ダメな金額はある?書き方の見本やお金の入れ方・渡し方も解説

公開:2022.06.09  更新:2024.10.29

お布施とは?ダメな金額はある?書き方の見本やお金の入れ方・渡し方も解説

葬儀を執り行う際に、悩む方が多いのが「お布施」についてです。
金額がはっきりしない点や、マナーがあやふやで、不安を覚えることもあるでしょう。

そもそもお布施とはどのようなもので、金額相場はどれぐらいなのでしょうか。
知識不足により印象を下げないよう、事前にマナーを覚えておくのが大切です。

この記事では、お布施の意味や一般的なマナーを解説します。
渡すタイミングや包み方、書き方についても詳しく紹介するので、参考にしてください。

▼気軽にご相談ください。

 

お布施とは

お布施とは、ひと言で説明するなら「僧侶に渡すお礼」のことです。
葬儀を執り行う際には、お寺から僧侶に来てもらい、さまざまな儀式を行っていきます。
こうした活動に対するお礼の気持ちを、お布施で表すというわけです。

よく勘違いされるのは、「お布施=読経や戒名に対する対価」という考えです。
お布施とは、あくまでも「御本尊に捧げるお礼の気持ち」であり、だからこそ明確な金額は決められていません。

ちなみに、お布施という言葉の由来は、インドの僧侶と貧しい民の逸話からだといわれています。
僧侶の説法へのお礼として、貧しい民が古い布を渡したところ、僧侶は喜んで受け取り袈裟(けさ)に仕立てたそうです。
「金額ではなく気持ちの問題」という、お布施の本質が伝わってくる由来といえるでしょう

 

お布施でダメな金額

結婚式やお香典では、「用意するとマナー違反になる金額」が存在しています。
しかし、お布施の場合には、こうしたルールはありませんから安心してください。
奇数でも偶数でも良いですし、日本で一般的に「不吉」と捉えられるような数字でも構いません。

ただしお布施の金額に端数があると、相手方を戸惑わせたり、余計な手間を取らせたりする可能性もあるでしょう。
キリの良い数字を渡すよう、心掛けてみてください。

 

お布施の金額相場

主なお布施の金額相場は、以下の4つです。

  1. 通夜・葬儀
  2. 納骨式
  3. 法要(四十九日・三回忌など)
  4. お盆

それぞれ見ていきましょう。
なお、家族葬のお布施相場については、こちらの記事をあわせて参考にしてください。

※金額相場は三重県内の相場にて記載しております。

【関連記事】家族葬のお布施相場と内訳|金額を左右する要素や渡すタイミングも解説

 

金額①:通夜・葬儀

僧侶の役割が多い通夜・葬儀でのお布施相場は、その他と比較して高めになります。
だいたい、15万円〜50万円が相場です。
金額相場の幅が広いのは、地域や宗派によってかなりの差があるからです。

一般的には読経料は含まれていますが、地域によっては、戒名料やお食事代、お車代が別途必要になる可能性もあるでしょう。
地域や宗派の慣例に沿ったやり方で、用意するのがおすすめです。

斎奉閣は三重県に20会館以上ある葬儀社で、県内トップクラスの葬儀施行実績があります。
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金額②:納骨式

故人のお骨をお墓に入れる際に執り行われるのが、納骨法要です。
ここでのお布施の金額相場は、1万円〜2万円程度でしょう。

納骨は四十九日法要と同時に行われるケースも多く見られます。
この場合は、四十九日法要のお布施と納骨時のお布施、両方を準備してください。

またお墓や仏壇を新たに購入した場合には、「開眼供養」が行われます。
こちらのお布施の金額相場も、1万円〜2万円です。

 

金額③:法要(四十九日・三回忌など)

葬儀のあとは、時期に応じて法要を執り行います。
法要の種類とそれぞれのお布施の金額相場は以下のとおりです。

  • 初七日法要  2万円~3万円
  • 四十九日法要 2万円~3万円
  • 一周忌法要  2万円~3万円
  • 三回忌法要  1万円~3万円
  • 七回忌法要  1万円~3万円

法要のお布施は、葬儀から日が浅いほど、高額になります。
四十九日法要がもっとも高額で、その後は少しずつ下がっていくイメージで良いでしょう。
こちらのポイントもぜひ意識して、毎回の金額を決定してみてください。

法要に関する準備や流れを詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてチェックしましょう。

【関連記事】四十九日法要とは?準備や当日の流れを解説|香典・お布施の金額相場も紹介
【関連記事】三回忌とは?準備や流れ、お布施などについてわかりやすく解説

 

金額④:お盆

お盆に僧侶を自宅に呼んで法要を行う場合、お布施は3,000円〜1万円程度が相場になります。

ただし、四十九日法要後に初めて迎えるお盆は「新盆」や「初盆」と言い、家族にとっても故人にとっても特別な意味を持ちます。

初盆のお布施の相場は1万円〜2万円程度と、頭に入れておきましょう。
初盆のマナーや新盆との違いを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】初盆とは?新盆との違いや、お布施の金額相場、マナーをわかりやすく解説

 

お布施を入れる封筒の種類

お布施を入れる封筒の種類は、以下の4つです。

  1. 水引がついていない白無地の封筒
  2. 白黒の水引がついた封筒
  3. 黄白の水引がついた封筒
  4. 銀色の水引がついた封筒

各封筒の利用シーンや特徴を解説するので、選ぶ際の参考にしてください。

 

種類①:水引がついていない白無地の封筒

お布施を入れる際、水引がついていない自無地の封筒を選ぶのが一般的です。
水引は冠婚葬祭で使用されますが、不祝儀袋につける場合、悲しみやお悔やみの気持ちを意味します。

お布施は僧侶への謝礼になるため、水引をつける必要はありません。
白無地の封筒は宗派や仏事問わず使用できるだけでなく、比較的手に入りやすいメリットがあります。
ただし、地域によっては水引がある封筒を使用するケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

 

種類②:白黒の水引がついた封筒

一般的に白黒の水引がついた封筒は、四十九日までの仏事で香典を包む際に使用します。
お布施は僧侶に対する感謝の気持ちを表したもので、お悔み全般で使用する白黒の水引がついた封筒を使うのは適していないと考えられているためです。

そのため、四十九日以降は水引がついていない白無地の封筒を選びましょう。
ただし、地域によっては白黒の水引がついた封筒を使用する場合もあります。
お布施を入れる封筒選びに悩んだ際は、親戚や葬儀社などに確認するとよいでしょう。

斎奉閣では、終活に取り組む方へ向けて無料事前相談を実施しております。
お布施を入れる封筒選びや書き方、包む金額などの悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

種類③:黄白の水引がついた封筒

関西地方では、香典やお布施を入れる際に黄白の水引がついた封筒を使用する場合があります。
一説によると、皇室の贈り物に使用されていた「紅井水引(くれないみずびき)」が黒色に見えるため、当時黒の水引は避けられていました。

黄色は黒色の次に格式が高い色とされているため、京都を中心とした関西地方では黄白の水引がついた封筒が慣習として使用されています。
黄白の水引がついた封筒を使用するケースもある関西地方では、事前に確認のうえ用意するのが無難です。

 

種類④:銀色の水引がついた封筒

銀色の水引がついた封筒は、5万円以上の金額を包む場合に使います。
黒白の水引がついた封筒と使い方に違いはなく、香典や戒名料でも使用可能です。

サイズの種類も豊富なため、包む金額にあわせて選びましょう。
なお、宗教によっては5万円以上包むケースであっても、異なる色の水引がついた封筒を使うことがあります。
使用する封筒選びに悩んだ際は、葬儀社や寺院に確認するのがおすすめです。

 

お布施に関するマナー

お布施に関するマナーは、以下の4つです。

  1. お布施袋の書き方
  2. お金の入れ方
  3. お布施の包み方
  4. お布施の渡し方

マナーをしっかりチェックしておきましょう。

 

マナー①:お布施袋の書き方【見本付き】

香典袋とは異なり、お布施では濃墨を使うのがマナーになります。
お布施袋の書き方は、以下の2つです。

  1. 【表側】表書きと名前
  2. 【裏側】住所と金額

書き方のポイントを解説します。

 

【表側】表書きと名前

封筒や奉書紙の表面には、「御布施」または「お布施」と縦書きで表書きをします。
中央上部に表書きを記入した下に、名前を書きます。

名前はフルネームのほか、「〇〇家」と名字だけ書いても問題ありません。
前述したようにお布施は僧侶に対する感謝を表したものになることから、濃墨で書くのが一般的です。

お布施の表書きを記入する際は毛筆でなく、筆ペンやマジックペンで記入しても失礼にあたらないため、名前がわかるよう書きやすいものを使用しましょう。

 

【裏側】住所と金額

自分の住所と包んだ金額は、裏面左側に記載しましょう。
金額が左側に記載されるよう、まずは住所から記入します。
住所は、郵便番号まで書くのが一般的です。

また、金額で数字を記す際には旧字体を使用し、「金〇萬圓也」と書きます。
下表のように「一」は「壱」、「二」は「弐」と記載するのが、マナーに則った書き方です。

金額

書き方

3,000円

金参仟圓

5,000円

金伍仟圓

7,000円

金七仟圓

1万円

金壱萬圓

2万円

金弐萬圓

3万円

金参萬圓

5万円

金伍萬圓

6万円

金六萬圓

7万円

金七萬圓

10万円

金拾萬圓

15万円

金壱拾伍萬圓

20万円

金弐拾万圓

50万円

金伍拾萬圓

金額が改ざんされないよう、算用数字でなく旧字体を使用するため、書き間違えないよう注意しましょう。

 

マナー②:お金の入れ方

お金をお布施に入れるときのポイントは、以下のとおりです。

  • 新札を用意する
  • お札の向きを揃える
  • お札は封筒の表側・上向きに入れる

お布施は葬儀の香典と異なり、僧侶への感謝を表すもののため、結婚式などの慶事と同じルールです。
そのため、封筒からお札を出したときに肖像画が見えるように入れます。

お札は汚れやしわのあるものを入れると失礼にあたるため、新札、あるいはできる限りきれいなものを包むようにしましょう。

 

マナー③:お布施の包み方

お布施を包むときのパターンは、以下の2つです。

  1. 封筒に入れる場合
  2. 奉書紙に包む場合

それぞれ見ていきましょう。

 

封筒に入れる場合

封筒は白無地のものか、「御布施」と書かれているものを選択しましょう。
お札が透けてしまう薄いタイプや郵便番号欄が記載されているものは、お布施に使用する封筒には適していないため、使うのを避けてください。

また、二重になっているものだと不幸が重なることを想像させてしまうという理由から、封筒は一重になっているものを選ぶのがマナーです。

前述したように、お布施には水引がついていない白無地の封筒を使うのが一般的といわれています。
しかし、地域によっては水引がついている封筒を使う場合もあるため、事前に確認しておくのがポイントです。

 

奉書紙に包む場合

奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)とは、白い厚手の和紙です。
お布施は、以下の手順で奉書紙に包みます。

  1. お札の肖像画が描いてある方を上向きにして中袋に包む
  2. 奉書紙をひし形に広げる
  3. 中袋に包んだお札を奉書紙の中央やや左側に置く
  4. 包むときは左・右・下・上の順番に折る
  5. 折り返しが上になるようにする

奉書紙はつるつるした面が表にくるよう、事前に向きを確認しておくのが大切です。
お布施は奉書紙に包んで渡すのがマナーのため、事前に用意しておきましょう。

 

マナー④:お布施の渡し方

お布施を渡す際に、手に持った封筒を直接相手に差しだすのはマナー違反です。
以下の2つの方法でお渡ししましょう。

  1. 切手盆に乗せる
  2. あらかじめ袱紗(ふくさ)に入れておき、僧侶の前で取り出す

切手盆を使う場合、まずは自分の方にお布施を向けて準備したら、お盆を右に回します。
相手の方から正しく見える位置になったら、僧侶の方へと差し出しましょう。
僧侶がお布施を受け取り、切手盆を返したらOKです。

袱紗を使う場合、取り出したお布施を袱紗に乗せてお渡しします。
両手を添えること、また僧侶側から見て正しい向きになっていることを確認してください。
僧侶がお布施を受け取ったことを確認してから、袱紗を片付けてください。

 

お布施を渡すタイミング

お布施を渡すタイミングは、以下の2つです。

  1. 葬儀でお布施を渡すタイミング
  2. 法事・法要でお布施を渡すタイミング

葬儀と法要、それぞれのタイミングを具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

葬儀でお布施を渡すタイミング

法事や法要の場合も、開始前もしくは終了後の挨拶のタイミングでお布施を渡しましょう。
寺院で執り行われる場合には、受付担当者に渡します。

タイミングを見逃し、渡し損ねることがないよう注意してください。

 

法事・法要でお布施を渡すタイミング

通夜・葬儀でお布施を渡すタイミングは、大きく分けて2回あります。

  1. お通夜後~葬儀開始前
  2. 葬儀終了後

いずれかのタイミングで渡せるように、前もって準備しておきましょう。
葬儀開始前に渡すのであれば、「本日はよろしくお願いします」と挨拶を添えると丁寧な印象になります。

終了後であれば、「故人のためにありがとうございました」という挨拶が適当でしょう。
葬儀会社に葬儀の執り行いを依頼している場合、僧侶への挨拶のタイミングも指示してもらえます。

 

まとめ:お布施について

葬儀や法事の際に、僧侶にお渡しするお布施には、「金額があいまいなために悩みやすい」という特徴があります。

実際に、「お気持ちでと言われても…」と悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。
今回、お布施に関する基本知識やマナーを解説しましたが、実際のところは宗派や地域による差が大きいことでもあります。
それぞれの状況に合わせて、臨機応変に対応する必要があるでしょう。

特に初めての葬儀や法事の際には、悩みを抱える方も少なくありません。
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この記事の監修者

阿部貴之(あべ たかゆき)名張・伊賀地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター

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