お葬式後について

告別式とは?参列のマナーや流れを解説

公開:2021.12.02

告別式 マナー 「告別式に参列するときのマナーが知りたい」
「告別式と葬儀の違いが分からない」
告別式に参列する前に、このような不安や疑問を持つことがあるかもしれません。

今回は、告別式と葬儀・通夜との違い、告別式の流れや所要時間、マナー、持ち物を解説します。

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告別式とは

通夜や葬儀、告別式は、似たようなものだと感じるかもしれません。

しかし、実際には故人とお別れをするにあたってのそれぞれの役割があるのです。
まずは、告別式と葬儀・通夜との違いを見ていきましょう。  

告別式と葬儀の違い

葬儀とは、故人を送り出し冥福を祈るための儀式のことです。
日本で行われる葬儀の多くは仏式といわれ、僧侶が中心となって葬儀を進めます。

つまり、読経や引導などの宗教的儀式を葬儀と呼ぶのです。

葬儀に対して、遺族や親族、友人・知人が故人にお別れをする儀式を告別式といいます。
告別式には、焼香やお花入れの儀が含まれます。

現在では「葬儀・告別式」として同じ日に行われ、一般的に僧侶が読経している最中に焼香をするため、葬儀と告別式が同一視されやすいといえるでしょう。

また、葬儀と告別式を火葬の前に行うのか、火葬後に行うのかは地域によって違いがあります。  

告別式と通夜の違い

通夜は、基本的に葬儀・告別式の前日の夜に執り行われる儀式のことをいいます。

もともとは、文字通り夜通し故人と過ごし、ろうそくや線香の火を絶やさずに寄り添うのが通夜でした。
現在では、18時か19時ごろに開式し、1~3時間ほどで解散することが多くなっています。

このような通夜は半通夜とも呼ばれます。
半通夜が多い理由としては、葬儀会場のルールで遺族の宿泊ができない場合や、防火上の観点、そして遺族の負担軽減が挙げられるでしょう。

仏式の通夜は、僧侶の読経から始まり、遺族や参列者の焼香、その後の通夜振る舞いという流れで進みます。

ただし、地域の慣習によっても流れは異なります。
また、通夜と葬儀・告別式のどちらに参列すべきか迷うかもしれませんが、どちらか一方の参列、もしくは両方参列しても問題ありません。

最近では、式時間が夕方以降で予定が調整しやすいことから、通夜のみに参列するケースが増えています。
遺族から1日のみの式日程を伝えられた場合には、知らされた日時で参列しましょう。

近年では通夜を行わず、葬儀・告別式のみを1日で行う一日葬という形態もあります。  

告別式の流れ

告別式 流れ 式当日にスムーズに参列できるよう、告別式の流れを確認しましょう。

葬儀会場に到着したら、まずは受付へ向かいます。
記帳をすませ、香典を受付へ渡します。

このとき、受付をしている方にはお悔やみの言葉を伝えましょう。

仏式では、僧侶が入場して葬儀が始まり、読経中に葬儀スタッフの案内で焼香をします。
一般参列者の焼香は、遺族・親族の後です。
僧侶が退場すると、弔電拝読が続きます。
司会者が届いた弔電の全部、もしくは一部分を紹介するのが弔電拝読で、場合によって拝読のタイミングは異なります。

その後行われるのはお花入れの儀です。
祭壇に飾られていたお花や思い出の品物などを棺に納め、故人としっかりと対面する時間となります。
参列人数が多いときには列ができることがあり、葬儀スタッフからお花を渡されたら棺におさめてお別れしましょう。

お花入れの儀の後に棺の蓋を閉じますが、その際に釘を打つ地域もあります。
最後に喪主挨拶が行われ、司会者の閉式の辞をもって葬儀・告別式が終わります。

火葬場へ向けて出棺する際には、遺族や親族以外の一般参列者は見送ることが基本です。

ここまで紹介した流れは一般的なもので、地域によって異なる場合があります。  

告別式に掛かる時間

故人とお別れをする大切な場となる告別式ですが、さまざま事情でどのくらい時間が掛かるのか知りたい場合もあるでしょう。

一般的に、葬儀・告別式は午前中に開式します。
葬儀・告別式を火葬前に行うとき、火葬には予約している時間があるため、その時間に間に合うように式時間を設定していることが多いのです。

葬儀の開始から告別式を経て、出棺するまでに掛かる時間は1~2時間程度です。

そのうち、僧侶の読経時間は30~40分ほどとなることが多いでしょう。
全体の式時間は葬儀会場のルールや司式者の考え、参列が見込まれる人数などによって変わってきます。
基本的に、一般参列者は出棺を見送ると解散ですが、故人と親しかった人は火葬場まで同行する場合もあるかもしれません。

葬儀会場から火葬場までは、マイクロバスや自家用車、タクシーなどで移動します。

火葬場では40分~2時間くらいの火葬時間があり、火葬が終わると収骨を行います。
収骨後、葬儀会場に戻って初七日法要や精進落としがあり、すべて終了して解散するまでには開式から4~5時間が目安となるでしょう。

ただし、初七日法要が出棺前の葬儀に続けて行われたり、精進落としが火葬中に行われたりすることもあります。  

告別式のマナー

告別式に参列する際のマナーを確認します。
服装については、通夜や葬儀と同様、喪服であるブラックスーツやブラックフォーマルなどの着用が基本です。

葬儀会場への到着時間は、早すぎても遅すぎてもよくありません。
開式時間の30分~1時間ほど前から受付が始まるため、開式30分前を目安に到着するとよいでしょう。
そして、遺族、特に喪主は忙しいため、お悔やみを伝えるときは手短にし、長話はしないようにします。

また、葬儀会場で昔の友人に会うという場面があるかもしれませんが、私語は控えるのがマナーです。
特に葬儀・告別式の最中は静かにしましょう。
一般参列者であれば焼香後に帰宅しても問題ありません。

ただ、遺族と親しい間柄にある場合には、途中で帰ることを事前に断っておくと丁寧だといえます。
告別式の流れで解説した通り、火葬に立ち会うのは基本的に遺族や親族であり、一般参列者は霊柩車の出発を見送ります。
生前の故人と関係が深く、遺族から同行するよう声をかけられたときにのみ火葬場へ向かうのがマナーであり、自ら同行を申し出ることはしません。

また、同行する場合であっても、火葬後の精進落としには長時間滞在しないようにしましょう。
疲れている遺族に寄り添った対応を心がけるのが大切だといえます。  

告別式の持ち物

告別式 持ち物 最後に、告別式に参列するときの持ち物を確認していきましょう。  

1.袱紗・香典

通夜に参列していないときや、通夜で香典を渡すことができなかったときには、告別式の前に受付で香典を渡します。
受付の際、香典は袱紗に包んで持っていきます。

香典袋だけを持って差し出すのではなく、受付の前で袱紗から出し、袱紗にのせて渡しましょう。
袱紗の色は紫色や紺色などが一般的です。  

2.ハンカチ

ハンカチは、黒か白、または派手でない色味のものを用意します。
万が一袱紗を忘れたとき、香典を包むのに使えます。

また、告別式は最後のお別れをする儀式であるため、涙を流すこともあるでしょう。
涙を拭く際にもハンカチは必要なものです。  

3.数珠

葬儀が仏式以外の宗教で行われると事前に分かっているとき以外は、数珠を持参するのが基本です。
どの宗派にも対応できる略式の数珠か、自分の宗派の数珠を持参すればよいでしょう。  

まとめ

今回は、故人にお別れを告げる「告別式」について紹介しました。

告別式への参列は、日常生活でたびたびあるわけではないかもしれません。
だからこそ、流れやマナーを事前に確認しておくことは大切です。 故人との温かいお別れの時間を過ごすために、ぜひこの記事を参考にしてください。

詳しく告別式について知りたい方は、無料事前相談ページをご覧ください。  

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中子靖広(なかこ やすひろ) 津地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター