葬儀・法事の知識

法事にお供え物は必要?品物の選び方や金額相場・マナーなどを解説

公開:2024.03.19

法事にお供え物は必要?品物の選び方や金額相場・マナーなどを解説

法事や法要におけるお供え物は、故人とその家族に対する敬意や哀悼の気持ちを込めて贈るものです。

しかし、法事に招かれた際、「お香典をお包みするから、お供え物は必要ないのでは」と考える方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、法事におけるお供え物の基礎知識や品物の選び方を解説します。

おすすめのお供え物や押さえておきたいマナーも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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法事にお供え物の持参は必要?

法事にはお供え物を持参することが一般的ですが、必ずしも持参する必要はありません。

しかし、親族の法事では決まりがない場合を除き、お供え物を持参するケースがほとんどです。

親戚以外の場でもお供え物を準備する方が多いため、主催者から事前の断りがない限り「持っていくもの」という認識で準備するとよいでしょう。

以下の記事では、法事について詳しく解説しています。

法事の基礎知識について振り返りたい方は、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】法事とは?服装やマナー、法要との違いをわかりやすく解説

 

法事で持参するお供え物の基礎知識

お供え物を持参する際に押さえておきたい基礎知識は、以下の2つです。

  1. 金額の相場
  2. 渡すタイミング

それぞれを順番に見ていきましょう。

 

金額の相場

法事で「お供物料」として現金を包む場合の金額相場は、下表の通りです。

 

金額の相場

法要のみで会食には参加しない場合

5,000円ほど

会食に参加する場合

10,000円~15,000円ほど

品物を持参する場合も、5,000円から10,000円ほどのものから選ぶようにしましょう。

 

渡すタイミング

お供え物は、会場の入口などで施主から挨拶された際に渡すのが一般的です。

御仏前に直接お供えする、あるいは施主以外に渡すのはマナー違反となります。

また、お供え物を紙袋や風呂敷などで持参した場合は、中身だけを出したうえで「御仏前にお供えください」と一言添えてから手渡しましょう。

仮に、遠方などで参列できず郵送する場合は、お供え物に手紙も添えると心遣いが伝わります。

その際は、事前に主催者に連絡し、法事までに届くように手配しましょう。

 

法事に持参するお供え物の選び方

お供え物の基本は「五供」と呼ばれる、下表の5つです。

五供

意味合いや想い

香(お線香など)

・場や人を清める
・香喰(こうじき)として、仏様のご飯という意味も持つ

故人に喜んでもらう

灯明(ローソクなど)

故人がいる場所を明るく照らす

浄水(水やお茶など)

心を清らかにする

飲食(食べ物)

故人の食事として捧げる

お供え物は消費されてなくなるもの(消え物)が好まれます。

食べ物や飲み物を持参する場合は、衛生面も考慮して、個包装や日持ちするものを選びましょう。

一方で、お供え物には適さない品物も存在します。

例えば、肉や魚は殺生を連想させるため避けるべきです。

また、4(死)や9(苦)といった数字も連想されるイメージが悪いため、包む金額にも注意が必要です。

 

法事におすすめのお供え物

法事におすすめのお供え物は、下記の3つです。

  1. お菓子(和菓子や洋菓子)
  2. 果物

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

おすすめ①:お菓子(和菓子や洋菓子)

お菓子は和洋を問わず、個包装や消費期限が長く日持ちのするものがおすすめです。

また、法事ではお菓子が長時間そのままの状態で供えられるため、チョコレートなど溶けやすいものは避け、常温保存ができる品物を選ぶ必要があります。

お菓子をお供え物として選ぶ際には、故人が生前好んでいたものや、その土地の名産品を持参すると喜ばれるでしょう。

 

おすすめ②:果物

旬の果物は、季節が移り変わったことを故人に知らせる手段として、お供え物の定番とされています。

なかでもモモやリンゴなどの丸い形は「魂を表す」一方で、「円=縁」という意味もありおすすめです。

果物を選ぶのに迷った場合は、カゴに盛られたフルーツ詰め合わせを選ぶと見栄えも良くなるでしょう。

ただし、遠方から法事に参列する場合は、果物が傷まないように注意が必要です。

 

おすすめ③:花

花をお供え物にする際は、長持ちする菊やカーネーションや季節の花を選ぶとよいでしょう。

一方で、トゲ・毒があるバラやシャクナゲなどはお供え物に適しません。

また、四十九日までは喪に服す期間であり、花も同様に慎ましい白色のものをお供えするのがよいとされています。

四十九日以降は、故人の好みに合わせて選べますが、鮮やかすぎる色は避け、優しい色合いの花を選ぶことをおすすめします。

 

法事のお供え物で押さえておきたい3つのマナー

法事のお供え物で押さえておきたいマナーは、以下の3つです。

  1. のし紙は包装紙の上から貼る
  2. のしの表書きは宗派に合わせて書く
  3. 水引は法事の種類によって使い分ける

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

マナー①:のし紙は包装紙の上から貼る

お供え物は、法事用ののし紙(かけ紙)を包装紙の上から貼りましょう。

のし紙には包装紙の内側に貼る「内のし」と、包装紙の外側に貼る「外のし」がありますが、お供え物には一般的に後者が使われます。

ただし、お供え物を郵送する、あるいは法事以外で渡す場合には内のしがよく用いられます。

お供え物を渡すタイミングによって、のし紙の使い方は臨機応変に変えましょう。

 

マナー②:のしの表書きは宗派に合わせて書く

のしの表書きは、下表のように宗派・宗教によって異なります。

宗教

表書き例

仏教

・御香典
・御仏前
・御供
・御霊前 など

神道

・御神前
・御玉串料
・御榊料 など

キリスト教

・献花料
・お花代 など

日本で行われる法事は仏教形式が多いため、四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」と記すのが一般的です。

御霊前は、浄土への旅路を示し、御仏前は閻魔大王の裁きを受け、仏として浄土に旅立ったことを意味します。

ただし、故人の宗派が浄土真宗や曹洞宗などの場合、「御霊前」は使用せず、四十九日前でも「御仏前」を使用します。

仮に、葬儀に参列するまで、故人の宗派がわからない場合は、「御供」を使用するとよいでしょう。

また、法事の日程によって文字の濃さが異なります。

急な訃報による涙で墨が薄くなるという意味合いのある薄墨は、四十九日法要など予め決まっている法要にはふさわしくありません。

四十九日より前では薄墨、四十九日以降では、濃い墨で表書きを記載すると覚えておきましょう。

以下の記事では、御仏前の基本を解説しています。

御仏前のルールやマナーを詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】御仏前の基本的な書き方は?書き方に関するマナーとあわせて紹介!

 

マナー③:水引は法事の種類によって使い分ける

水引は、下記のように使い分けるのが一般的です。

法事例

水引色

四十九日まで

黒白

四十九日以降

双銀

三回忌以降

黄白

また、水引の結び方は、一般的に「結び切り」や「あわじ結び」が選ばれます。

水引を中心で固く結ぶため、なかなか解けない特徴があり、「今後同じことが起こらないように」という意味が込められています。

法事のお供え物を準備する際は、水引にも気を配りましょう。

 

法事のお供え物としてお金を入れてもよい?入れ方は?

近年では、手土産やお供え物に代わり、「御供物料」を用意する方も増えています。

御供物料を渡す際のマナーは、下表の通りです。

項目

マナー

お札の選び方

・使用感のあるお札が好ましい
・新札は折り目をつけてから包む

包み方

お札の裏面を不祝儀袋の表に向ける

中袋

包んだお金の金額(旧字体の漢数字)・氏名・住所を記載する

金額

香典の5割〜7割程度を入れる

葬儀や法事の際に使われる現金を包む袋は「不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)」と呼ばれます。

不祝儀袋は、法要や法事に持参する際は「御供物料」、葬儀や通夜に持参する際は「香典」と呼びます。

両者は現金を送るという点では同じですが、使われる場面や目的が異なるので注意しましょう。

 

法事のお供え物でお悩みの方は

法事に持参するお供え物についてお悩みの方は、お気軽に斎奉閣へご相談ください。

斎奉閣では、お葬式に関する事前相談が無料で可能です。

事前相談は突然の訃報に慌てなくてもよいように、葬儀や法事に関する基本的な知識や準備を整えるのに役立ちます。

経験豊かな専門家との対話を通して、さまざまな疑問を解消し、安心して準備を進められるでしょう。

 

まとめ:法事のお供え物について

家庭や信仰によって、法事で贈る供え物のマナーは異なります。

歳月が流れるにつれ、故人への思いが薄れがちですが、敬意や感謝の気持ちを込めて選ぶことが重要です。

なお、斎奉閣は、三重県下に22会館を構えています。お近くの会館に、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

花岡一雅( はなおか かずまさ) 四日市地区斎奉閣 館長 2級葬祭ディレクター