喪中とは?期間や忌中との違い、マナーについてわかりやすく解説
喪中とは、親族などが亡くなった際の、喪に服す期間を表す言葉です。
故人を偲ぶ期間という大まかな認識はできていても、期間マナーについて把握しきれていない方も多いでしょう。
本記事では喪中について、基本的な概要や期間、忌中との違いやマナーについて詳しく説明します。
喪中にやっておくべきことや、控えるべきことについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
喪中とは?
故人を偲ぶ期間のことを喪中といいます。
喪中は、残された親族の悲しみを癒す期間とされているもので、日常生活に戻れるまでの期間を表しているのが特徴です。
悲しみを乗り越える期間とされるため、派手な催しへの参加などは控えなければなりません。
また、期間として設けられてはいるものの、あくまでも遺族が普段と変わらない生活を取り戻すまでを喪中と捉えても問題はありません。
故人への思いを馳せながら、自然な形で日常生活に戻っていけば良いでしょう。
喪中の期間は?
喪中は、1年間が一般的な期間とされています。しかし上述した通り、喪中を終えたからといって無理に日常を取り戻そうとする必要はありません。
あくまで自分たちの気持ちが整ってから、はじめて喪中を終えたと認識しても良いでしょう。
また喪中の期間は、故人との関係性によって異なる点が特徴です。
関係性ごとの期間については、以下を参考にしてください。
- 配偶者・父母→12ヶ月〜13ヶ月
- 子ども→3ヶ月〜12ヶ月
- 兄弟・姉妹→3ヶ月〜6ヶ月
- 祖父・祖母→3ヶ月〜6ヶ月
一般的には、一親等・二親等の方が亡くなった場合を対象に喪中の期間を設けます。
叔父・叔母・甥・姪などの三親等は、喪に服すことは必須ではありません。
喪中にやっておくべきこと・してもいいこと
喪中の間は、以下に挙げることをやっておきましょう。
- 四十九日の準備
- 遺品整理
- 香典返し
- 喪中はがき作成
また喪中といえば、控えることも多いイメージを抱いている方も多いでしょう。
しかし、婚姻届の提出やお参り、お歳暮やお中元などは、喪中でも控える必要はありません。
喪中で控えるべきことの詳細については、後ほど詳しく解説しているので参考にしてください。
喪中と忌中の違いは?
喪中と忌中には、期間に関する捉え方の違いがあります。
厳密には忌中とは、喪中に含まれる期間とされています。
喪中は「忌」と「服」の期間で区切られており「忌」の部分が忌中です。
すなわち忌中とは、喪中に含まれる一定の期間であると認識できます。
忌中の期間
そもそも忌中とは、故人への祈りを捧げる期間のことです。
一般的には四十九日までの期間を忌中とします。
四十九日までは死の穢れが身についている期間とされています。四十九日明けまでの期間を忌中とし、外部との接触を避ける期間とするのが一般的です。
【関連記事】四十九日法要とは?計算方法や香典、お布施の基礎知識を徹底解説
忌中にやってはいけないこと
忌中には、以下を控える必要があります。
- お祝いごとへの出席(結婚式など)
- 婚姻届の提出
- 年始の挨拶
- 旅行
- お参り
- 正月飾り
- おせち料理
- 引越し
喪中でもできることに該当するものがあるため混乱するかもしれません。
亡くなってから四十九日が過ぎ、忌中が明けてから一部のことができるようになると認識しておきましょう。
喪中に関するマナーを紹介
喪中については、控えなければならないことや期間中のマナーなど、さまざまなことを把握しておく必要があります。
ここでは、喪中に関する以下のマナーについて解説します。
- 喪中はがき
- 正月祝い
- お祝いごとの出席や旅行
- 結婚式の時期
- 宗教の違い
喪中をどう過ごすべきかわかりかねているという方は、ぜひ参考にしてください。
マナー①:喪中はがきのマナーも把握しておく
喪中はがきとは、身内に不幸があったことを知人に伝えるためのはがきです。
年賀状を出せないことを、喪中はがきを通じて伝えます。 また、喪中であることを知らない知人のために喪中であることを伝える意味もあります。
また近年では家族葬の需要も高まっているため、近しい間柄の知人でも故人が亡くなったことを知らないままのことも。 喪中はがきを用いることで、葬儀に参加しなかった人に対して亡くなったことを伝えられるでしょう。
喪中はがきを送る相手は、年賀状を送る間柄の知人です。
「年賀状の代わりに喪中はがきを送る」と認識しておけばわかりやすいでしょう。
また、普段年賀状を送らない方でも、葬儀に参列してくれた方には送るようにしてください。
ただし、個人ではなく会社単位でやりとりしている方には、喪中はがきを送る必要はありません。
喪中はがきを送る期間は、その年の10月中旬から11月下旬が理想です。
遅過ぎてしまうと相手は年賀状を作成してしまいます。
また早過ぎても、喪中はがきをもらったことが忘れられてしまう可能性があるでしょう。
気になる喪中はがきの内容に関しては、以下を意識すると書きやすいです。
- 年始の挨拶を欠礼するといった内容を記載する(お詫びのような形で)
- 故人が亡くなったこと、亡くなった際の情報を記載する
- 生前のお礼(結びの挨拶として)
喪中はがきを作成する際は、句読点や行頭一字下げなどをしないルールがあることも覚えておきましょう。
マナー②:正月祝いをしない
厳密には、忌中の期間が明けていれば正月祝いをしても問題はありません。
しかし亡くなってから四十九日を過ぎるまでは、正月祝いは避けましょう。
喪中・忌中に避けるべき正月祝いに該当するのは以下の通りです。
- 年賀状
- 正月飾り
- 鏡餅
- お屠蘇(おとそ)
- お年玉
- おせち料理
- 初詣
喪中に該当する場合は、上記を参考にしてください。
【関連記事】初盆とは?新盆との違いや、お布施の金額相場、マナーをわかりやすく解説
マナー③:お祝いごとの出席や旅行などを控える
喪中の期間は、以下のお祝いごとへの出席は避けたほうが良いとされています。
- 新年会
- 宴会
- パーティー
喪中の期間は、神社への参拝も避けておきましょう。
また、喪中期間の旅行も、できる限り避けるほうが良いとされています。
上記で挙げたお祝いごとや旅行に関しては、やはり忌中での参加を控えることが常識的です。
忌中が明ければ問題ないという考え方もあるため、忌中を基準としておきましょう。
マナー④:結婚式の予定がある場合は時期をずらす
参加側ではなく、自身が主催となる結婚式に喪中が重なることもあるでしょう。
一般的には、喪中に結婚式を開催するのも避けるべきとされています。
ただし、忌中が明けた段階で結婚式を執り行う方も増えています。
式の延期・中止にかかる費用や参列者の都合などを加味し、できるだけ予定通り開催したいという考えの方が多いためです。
マナー⑤:宗教による違いを理解しておく
宗教によっては、喪中や忌中の概念がない場合もあります。
特にキリスト教や浄土真宗などは、死が穢れに結びつかないという考えの宗教です。
そのため、信仰している宗教によって、ここまで触れたマナーなどが該当しないことがあります。
あくまでも自身に置き換え、喪中と忌中の考えを落とし込みましょう。
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まとめ
本記事では、故人を偲ぶ期間として設けられる喪中について解説しました。
喪中に含まれる忌中についても把握しておくことで、今回紹介したマナーなどをより理解しやすくなるでしょう。
喪中・忌中には、しておくべきこととしてはいけないことがいくつもあります。
宗教による違いはあるものの、一般論として覚えておくべきでしょう。
喪中についての知識は、自身の親族が亡くなった場合はもちろん、知人が喪中である場合にも役立ちます。
紹介した内容を参考に、喪中の正しいマナーを身につけましょう。
喪中についてわからないことがあれば、斎奉閣にお問い合わせいただければ幸いです。
この記事の監修者
葬儀・法事の知識