【福祉葬】生活保護の葬祭扶助制度とは?支給される費用や申請方法も解説

公開:2025.05.08

【福祉葬】生活保護の葬祭扶助制度とは?支給される費用や申請方法も解説

生活保護の扶助にはさまざまな種類があり、葬祭に関わるものを葬祭扶助といいます。
葬祭扶助制度を利用して執り行う葬儀を福祉葬と呼び、葬儀形式や費用には規定があります。
条件にそぐわない場合や規定を守らない場合は、福祉葬をあげること自体が難しくなってしまうため、きちんと把握しておくことが大切です。

この記事では、福祉葬とはどのような葬儀か、注意点も交えて解説します。
福祉葬をあげるための葬祭扶助に含まれる費用や申請方法はもちろん、受理されないケースについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

▼気軽にご相談ください。

 

福祉葬(生活保護葬・民生葬)とは

福祉葬とは、経済的に困窮している人が「葬祭扶助」という制度を利用して執り行う葬儀のことです。
主に生活保護受給者を対象としており、「生活保護葬」や「民生葬」とも呼ばれます。

福祉葬では、葬祭扶助で支給される補助金の範囲で葬儀をあげるため、自己負担額はゼロになります。
執り行える葬儀の種類は、通夜・告別式はせずに火葬のみを執り行う「直葬」です。
大勢の参列者を呼び、祭壇を用意して通夜・告別式を執り行うといった葬儀はできません。

あくまでも葬儀をあげる資金がない方へ向けた扶助制度のため、葬儀内容は最低限のものになります。
福祉葬の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしましょう。

【関連記事】福祉葬とは?条件や費用、葬儀の流れ、服装についてわかりやすく解説

 

福祉葬で利用できる生活保護の葬祭扶助制度とは

福祉葬で利用できる生活保護の葬祭扶助制度について、以下の3つを解説します。

  1. 対象となる方
  2. 対象となる費用
  3. 申請方法

それぞれみていきましょう。

 

対象となる方

葬祭扶助制度を利用するための前提条件は、故人が生活保護受給者であり、資産を残していないことです。
そのうえで、下記に当てはまる場合が対象となります。

  • 遺族も経済的に困窮しており、葬儀費用を用意できない
  • 故人に扶養義務者がおらず、遺族以外のものが葬儀を手配する

葬祭扶助制度の利用可否は、自治体の担当課が判断します。
故人が生活保護受給者であったとしても、上記に当てはまらない場合は葬祭扶助を利用できません。

また、故人を経済的に支援していた扶養義務者がおらず遺族もいない場合は、民生委員や家主が葬儀を手配することもあるでしょう。
そのような場合も、葬祭扶助制度の対象になります。

 

対象となる費用

葬祭扶助制度で支給される金額や対象となる費用は、下表のとおりです。

上限額※

・故人が大人:21万2,000円以内
・故人が子供:16万9,600円以内

受取方法

自治体が葬儀社へ直接支払う

可能な葬儀形式

直葬(火葬のみ)

対象となる費用

・死亡診断書の発行費用
・ご遺体の運搬費用
・安置施設の利用料
・火葬料
・棺や棺用布団一式
・ドライアイス
・骨壺 など

※2025年3月時点のもの

支給される上限額は自治体により違いますが、15万円〜20万円ほどです。
生活保護法の内容が改正されるたびに、限度額は変化します。
支給金は、申請者を介さずに自治体から葬儀社へ直接支払われることが一般的です。

対象となる費用が決まっていることから、可能な葬儀形式は直葬のみとなります。
葬儀がシンプルだからと自己資金を追加してしまうと、生活保護受給者であっても葬祭扶助制度が利用不可になります。
具体的な内容は自治体や葬儀社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

引用:厚生労働省社会・援護局保護下|令和3年生活保護制度の概要等について

 

申請方法

葬祭扶助制度の申請方法は以下のとおりです。

申請者

喪主または葬儀を手配する人

申請先

申請者の住民票が登録されている自治体の福祉事務所

申請方法

1.死亡した旨と葬祭扶助制度を利用したい旨を伝える
2.必要な書類を準備する
3.葬儀前に葬祭申請書を提出する

葬祭扶助制度の申請は、基本的に喪主が行います。
喪主が申請できないときは、他の遺族や民生委員による申請も可能です。
葬儀社によっては、委任状の準備があれば申請を代行してくれる場合もあります。

なお、申請後に葬祭扶助の利用可否を審査するのは、自治体の担当課です。
葬儀社にも葬祭扶助制度を利用して福祉葬を執り行いたい旨を、最初の相談時に伝えましょう。

なお、斎奉閣でも福祉葬が可能です。
葬儀に対して不安をもつ方も安心していただけるよう無料事前相談を実施しておりますので、ぜひご相談ください。

 

生活保護受給者の福祉葬を執り行う際の注意点

生活保護受給者の福祉葬を執り行う際の注意点は、以下の3つです。

  1. 葬祭扶助制度の申請は葬儀前にする
  2. 自己負担が必要な費用がある
  3. 香典は受け取っても収入として見なされない

それぞれ詳しく解説します。

 

注意点①:葬祭扶助制度の申請は葬儀前にする

福祉葬を執り行いたい場合は、葬儀前に葬祭補助制度の申請をすることが必須です。
申請が受理される前に葬儀を執り行うと、生活保護受給者であっても葬祭扶助は受けられません。
徹底したい注意点は、以下のとおりです。

  • まず福祉事務所へ葬祭扶助制度を利用したいと相談する
  • 葬儀社にも葬祭扶助制度を利用する旨を伝える

葬儀社に依頼した際にも、最初に葬祭扶助制度を利用して福祉葬をあげたいと伝えておくことで、先に葬儀が済んでしまうという事態を避けられるでしょう。

なお、急ぎで福祉葬を依頼したいとお考えの方は、0120-999-444より斎奉閣へお電話ください。
知識・経験のある斎奉閣のスタッフが、丁寧に対応いたします。

 

注意点②:自己負担が必要な費用がある

葬祭扶助制度では、対象となる費用が限られるため、自己負担が必要になる場合があります。
たとえば、以下のような費用は扶助には含まれないため、希望する場合は自費で準備が必要です。

  • 納骨
  • お墓
  • 戒名

納骨では納骨作業に5,000円ほど、読経を依頼する場合はお布施代に3万円~5万円ほどがかかります。
お墓は、自費であれば新しく建てられますが、金額が大きいため難しい場合が多いでしょう。
一族のお墓に納骨できない場合は、散骨や合祀墓(ごうしぼ)など自己負担でまかなえる方法を選ぶ必要があります。

戒名は必ずつけなければいけないものではありませんが、宗教や寺院によっては必要です。
宗派や戒名のランクによって、金額にバラつきがあります。

ただし、これらの自己負担は高額になると資産があると見なされて葬祭扶助制度を利用できなくなるため、注意しましょう。
宗派やランクごとの戒名費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】戒名の値段相場は?宗派やランクごとに解説

 

注意点③:香典は受け取っても収入として見なされない

香典は、福祉葬の場合でも受け取ることが可能です。
生活保護は、臨時的なものも含めた収入によって受給の可否が決まります。
しかし、香典は収入と見なされないため、受け取ったことが原因で生活保護の受給に影響が出ることはありません。

ただし、葬祭扶助に香典返しの費用は含まれていないため、いただいた香典から出す必要があります。
いただいた香典には、3分の1〜半分の額でお返しをすることがマナーです。
香典返しを準備することが難しい場合は、事前に香典辞退を申し出ましょう。

 

生活保護受給者の福祉葬に関するよくある質問

生活保護受給者の福祉葬に関するよくある質問を、2つ紹介します。

  1. 生活保護受給者で福祉葬を行えないケースとは?
  2. 福祉葬ができなかったときは?

順番にみていきましょう。

 

質問①:生活保護受給者で福祉葬を行えないケースとは?

福祉葬を執り行うためには条件があり、審査で葬祭扶助が必要だと認定される必要があります。
生活保護受給者が福祉葬を行えないケースでは、以下の理由が考えられます。

  • 故人が残した資産がある
  • 親族のなかに葬儀費用を支払える人がいる

故人・遺族がともに生活保護受給者だったとしても、故人が預貯金やその他の資産を残しており葬儀費用がまかなえる場合は葬祭扶助を受けられません。
しかし、その資産で葬儀費用をすべてまかなえないときは、不足分のみ葬祭扶助が支給されるケースもあります。

また、親族のなかに葬儀費用を支払える人がいる場合も、葬祭扶助が認められず福祉葬が行えない可能性が考えられます。
不安がある場合は、事前に民生委員やケースワーカーに相談しておくと安心です。

 

質問②:福祉葬ができなかったときは?

葬祭扶助が認められず福祉葬ができなかったときは、福祉事務所に理由を確認して再申請が可能か相談しましょう。
再申請も却下されてしまった場合は、自己負担で葬儀を手配します。
その際は、葬儀社の火葬式プランや直葬プランが適しています。

火葬式や直葬は、他の葬儀形式よりも少ない費用で葬儀を執り行えることが特徴です。
直葬のことを火葬式と呼ぶ場合もありますが、斎奉閣では両者の違いを以下のように定義しています。

火葬式

葬儀会館でご納棺・お別れの儀式を執り行い、火葬場へお送りする

直葬

儀式を執り行わず、病院や施設から直接火葬場へお送りして火葬のみ行う

葬儀に利用できる他の公的支援や補助金制度もあるため、確認して申請することも大切です。
葬儀費用をまかなうための補助金についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしましょう。

【関連記事】葬儀費用をまかなえる補助金にはどんなものがある?相続税についても解説

 

生活保護受給者の福祉葬でお悩みの方は

斎奉閣では、生活保護受給者の福祉葬プランを設けております。
福祉葬が行えないものの費用をおさえて葬儀をあげたい場合には、火葬式プランや直葬プランが最適です。

ご葬儀プラン

価格(税込)

火葬式プラン

9万9,000円~

直葬プラン

10万4,940円~

また、斎奉閣では葬儀の進行以外にも以下のようなサポートが可能です。

  • 遺言書の作成
  • 断捨離
  • 本籍の確認
  • IDやパスワードの確認
  • 納骨先についての相談

近頃では残される家族のことを考えて、生前に葬儀や身の回りの整理をしておく方も増えています。
斎奉閣では生活保護受給者の福祉葬をはじめ、葬儀前後に関するさまざまな悩みにお答えいたします。
福祉葬についてお悩みの方は、無料事前相談からぜひご相談ください。

 

まとめ:生活保護受給者の福祉葬は条件の事前確認が大切

生活保護受給者の福祉葬は、葬祭扶助が受けられるかどうかがポイントです。
福祉葬でまかなえる費用や葬儀の具体的な内容は、自治体や依頼する葬儀社によって異なるため、よく調べておくことが大切です。

なお、斎奉閣では、生活保護受給者の福祉葬プランをご用意しております。
65年以上の経験と実績を活かし、シンプルながら心おだやかにお見送りできる時間を提供いたします。
生活保護受給者で福祉葬をお考えの方は、以下より無料相談をご利用ください。

無料事前相談受付中

  • 残された家族の負担を減らす
  • 死に対する
    不安解消
  • 遺産相続のトラブルを回避できる

「事前準備を始めたいけど何から始めればわからない…」という方はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

花岡一雅(はなおか かずまさ)四日市地区斎奉閣 館長 2級葬祭ディレクター

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