生前葬とは?葬儀の流れや費用相場などを解説
より自分らしい形で、自身の最期を飾りたいという思いから、生前葬のニーズが高まってきています。
メディアを通じて、有名人や芸能人の生前葬を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、いざ自分も執り行おうと思うと、まだまだわからない点が多いはずです。
生前葬とはどのような形式の葬儀で、どういった流れで行われるのか、詳しく紹介します。 気になる費用についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
▼気軽にご相談ください。生前葬とは
生前葬とは、生前に行われる葬儀を意味します。
一般的に葬儀と言えば亡くなってから行われるものです。
しかし一般の葬儀では、亡くなった人が参列した方と実際に顔を合わせることはできません。
生前葬の場合、葬儀を開くのは自分自身です。 元気なうちに本当に葬儀に来てほしいと思う方々と、実際に交流を深められるのが生前葬の特徴です。
芸能人や有名人の場合、引退セレモニーや社会的パフォーマンスとして生前葬を行うケースも多く見られます。
亡くなった後に行われる葬儀と同じく、生前葬も、社会的な生活に区切りをつけるための行事と言えそうです。
生前葬はなぜ行われるのか
生前葬に込める意味は、開く人によってさまざまです。
- 元気なうちに、自分の口からお礼の言葉を伝えたいから
- 生前葬を以て、社会的な役割に区切りをつけたいから
- 自分が亡くなった後の、家族への負担を少なくしたいから
- 周囲も高齢になり、亡くなった後の葬儀で集まるのは難しいと思うから
- 余命宣告をされ、限られた時間の中でできるだけ多くの人に会いたいから
- 自分の好みのお葬式を開きたいから
ニーズが高まっているとはいえ、生前葬に対していったいなぜ?と思う方はまだまだ少なくありません。
周囲の理解を得るのが難しいケースもあるでしょう。
しかし、亡くなってからのお葬式では叶わない願いも、生前葬なら可能になるかもしれません。
何より、葬儀に自分の意志を反映できるという点は、生前葬でなければ成し得ないポイントだと言えるでしょう。
生前葬を検討しているものの、なかなか周囲に理解してもらえない場合は、なぜ生前葬を行いたいのか、理由をしっかりと伝えてみるのがおすすめです。
意味を理解した上で協力、参列してもらえれば、生前葬に込めた想いもより一層届きやすくなるでしょう。
生前葬の流れ
生前葬は、無宗教形式で行われるのが一般的です。 また本人の希望に沿って、式全体の流れが決められていきます。
○○するべきといった明確なルールは存在しませんから、やりたいと思うスタイルを取り入れていきましょう。
一般的な生前葬の流れは、以下のとおりです。
- 司会者による開式の言葉
- 本人の挨拶(生前葬の目的や参列への感謝など)
- 自分のこれまでをまとめた映像やスライド、写真の演出
- 親族や友人のスピーチ
- 各種余興(生演奏や本人による出し物、花束贈呈など)
- 会食しながらの歓談タイム
- 本人の挨拶(あらためて参列者への感謝と今後の人生の抱負など)
- 司会者による閉式の言葉
もちろんこれは一例で、自由に変更して構いません。
自由な雰囲気で参列者の方々と会話を楽しみたいのであれば、最初から立食パーティ形式にすることもあります。
主催者本人が、カラオケや自身の趣味を発表する生前葬も見られるようです。
また、基本的には無宗教形式で行われることが多い生前葬ですが、本人の希望によっては宗教スタイルを取り入れられます。
ただこの場合、お寺や教会などから理解を得て、協力してもらう必要があるでしょう。
お葬式の流れについても、ある程度固まってしまう可能性があります。
このあたりは、お寺や教会、依頼先の葬儀社などとしっかり相談の上で決定するのがおすすめです。
生前葬の注意点
死後のお葬式よりも、自由なスタイルで開かれることが多い生前葬ですが、注意点もあります。
生前葬を執り行う場合には、以下の3つのポイントを頭に入れておきましょう。
注意点①:香典は不要
基本的に生前葬では、お香典を受け取ることはありません。
生前葬そのものを会費形式で行うケースが一般的です。
生前葬を企画し、参列者に対して案内状を送付する際には、以下の内容を明記しておきましょう。
- 会費(○○円)
- 香典は辞退する旨
一般の方が生前葬を行うケースは、まだまだ稀です。
会費のみを記載した場合、会費を支払った上で香典も出すべきかどうか悩む方は多いでしょう。
案内状の段階で辞退する旨を伝えておくと親切です。
ただし、それでも香典を持参する方はいるかもしれません。
受け取ってはいけないというルールはありませんから、そこは臨機応変に対応するのが良いでしょう。
注意点②:服装は平服
生前葬の参加では、服装にも悩みがちです。
一般的な葬儀では喪服を着用しますが、生前葬は平服での開催が基本となります。
男性ならばスーツ、女性もやはりスーツかワンピースなどが一般的なスタイルになるでしょう。
また、主催者側にこだわりがあるならば参列者に対してドレスコードの指定もできます。
ただしこの場合も、あまり独りよがりになり過ぎず、参列された側にとって負担が少ないドレスコードを選ぶことが楽しむうえでは大切です。
生前葬に出席する際の服装は、招かれた参列者にとって混乱しやすいポイントです。
案内状には、服装についてもはっきり記載しておくと良いでしょう。 また、参列予定者から問い合わせを受けるケースもあります。
スムーズに答えられるように準備しておくと安心です。
注意点③:死後の火葬は必要
生前葬は、人が亡くなる前に行われる葬儀です。
当然、ご遺体の火葬や納骨といったステップは、本人が亡くなった後に行われます。
たとえ生前葬を行っていても亡くなった方の火葬は必要という点は、頭に入れておきましょう。
人が亡くなった場合、納棺やお通夜、告別式といった流れで葬儀が進んでいくのが一般的です。
しかし事前に生前葬を行っている場合は、納棺後にそのまま出棺、家族が見守る中で火葬だけを行うケースも多いようです。
一方で、生前葬を行った場合でも、亡くなった後にあらためて葬儀が行われるケースもあります。
死後に葬儀を行うのが普通という認識は、まだまだ根強く残っています。
たとえ生前葬を行っていても、大切な家族を悔いなく送るために家族葬を選択するご遺族も多いようです。
家族葬の場合、一般的な葬儀と比較して、費用や遺族の負担は少なくなります。
とはいえ、負担ゼロというわけではありませんから、生前葬を行った後の実際の葬儀について、家族との事前の話し合いは必要でしょう。
【関連記事】家族葬の費用を安くする方法7選|費用の相場や注意点も紹介
生前葬の費用相場
生前葬を行う上でもっとも気になるのが、費用についてではないでしょうか。
一般的な葬儀よりも自由度が高い生前葬では、規模や内容によって必要な費用が大きく変わってきます。
あくまで一例とはなりますが、以下の内容を参考にしてみてください。
- 葬儀会社の会場で行う小規模生前葬(親族や親しい友人など10~20名前後)……30~40万円程度
- レストランや宴会場で行う小規模生前葬(同上)……20~30万円程度
- 高級ホテルで行う生前葬(30名以上)……150万円以上
※たまのや調べ 生前葬の費用の内訳は、
- 会場使用料
- 飲食費
- 返礼品費
- 演出料やプロデュース料
などです。
人数が多く、凝った演出を取り入れれば取り入れるほど、多くの費用がかかります。
まとめ
生前葬は、自分自身が亡くなる前、つまり生きている間に行う葬儀です。
生前葬に込める意味はさまざまですが、「自分の言葉でお世話になった人たちに挨拶したい」「自分らしい形のお葬式にしたい」と願う方が多いようです。
以前は芸能人や有名人が行うものというイメージがありましたが、近年、一般の方にも徐々に浸透してきています。
生前葬は、一般的な葬儀のような形式が存在しません。 自由度が高い分、どのような式になるのかは自分次第となるでしょう。
だからこそ、信頼できる葬儀会社に相談し、サポートをしてもらうことをおすすめします。
斎奉閣では理想のお葬式づくりのために、お客様のご要望に合わせたご提案が可能です。
生前葬に興味はあっても、何をしたらいいのかまったく分からないとお悩みの方は、無料事前相談ページをご覧ください。
【参考】母の宝物 | 葬儀レポート
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