葬儀後にやってはいけないこととは?支援者側が注意したい言動・行動も解説
葬儀後の遺族をサポートする際、どのように接すればよいのかと悩むことも少なくありません。
遺族を思った善意からの言葉や行動が、意図せず相手の心を傷つけてしまうケースがあるためです。
実際、葬儀後に支援者がやってはいけない言動や行動は多岐にわたります。
この記事では、葬儀後の遺族が抱える負担や、サポートする支援者がやってはいけないことを解説します。
支援者が知っておきたい正しい寄り添い方も紹介するので、悲しみに暮れる遺族をサポートしたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次

葬儀後の遺族にかかる心身の負担
葬儀後の遺族は深い悲しみを抱えながら、以下のような対応に追われるため、心身に大きな負担がかかります。
- 行政や金融機関などでの諸手続き
- 相続に関する手続き
- 関係各所への連絡や挨拶 など
上記は多くの場合期限が設けられているため、遺族が悲しみと向き合う時間を持てないことも少なくありません。
たとえば、住民票の抹消届は14日以内に提出するというように、手続きには明確な期限が定められています。
このような対応に追われながら日々の暮らしを送っていくと、遺族の疲労は蓄積し、悲しみからの回復が困難になってしまいます。
悲しみを増強させないためにも、支援者は葬儀後にかかる遺族の負担を考慮して、やってはいけないことへの理解を深めましょう。
遺族をサポートする側が葬儀後にやってはいけないこと
遺族をサポートする側は、葬儀後にやってはいけないことを知っておく必要があります。
よかれと思ってした行動や言動が、実際には遺族の心を深く傷つける場合があるためです。
葬儀後にやってはいけないことは、主に以下2つの側面に分けられます。
- 心情・言動面でやってはいけないこと
- 行動面でやってはいけないこと
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
心情・言動面でやってはいけないこと
葬儀後の遺族に対して心情・言動面でやってはいけないことは、悲しみを深める不用意な言葉かけです。
大切な人を失った直後の遺族は悲しみに暮れ、心身が不安定な状態です。
そのため、支援者の何気ない言葉が遺族の悲しみを増強させたり、回復プロセスを遅らせたりする恐れがあります。
場合によっては、うつ病など、心の健康に深刻な影響を与える可能性もあるでしょう。
具体的に葬儀後やってはいけない言葉かけの例は、下表のとおりです。
注意したい言葉の種類 |
例 |
|
罪悪感をあおる言葉 |
・早く病院に連れて行っていればよかった |
|
安易な励ましや強要する言葉 |
・あなたがしっかりしないと子どもが可哀想 |
|
感情表出を禁止する言葉 |
・悲しんでばかりでは故人が浮かばれない |
|
道徳観念や宗教観を押し付ける言葉 |
・試練を乗り越えるためには信仰を持った方がよい |
これらの言葉は、遺族に早く元気になってほしいという支援者の善意から出てくる場合もあります。
しかし、葬儀後の遺族にとって、心理的負担となり得る点は認識しておく必要があります。
心で思っている内容は言動に表れやすいため、葬儀後はやってはいけない言葉かけを意識しながら遺族の悲しみに寄り添うことが大切です。
行動面でやってはいけないこと
葬儀後の遺族にとって、以下の期間は故人の冥福を祈り、悲しみを癒す時期となります。
忌中 |
故人の逝去後、四十九日まで |
喪中 |
故人の逝去後、一周忌を迎えるまで |
そのため、支援者は忌中・喪中に以下へ遺族を誘わないよう注意が必要です。
- 神社への参拝
- 結婚式といった慶事への参列
- お正月のお祝い行事
- 賑やかな飲み会やパーティー
神道では死を「穢れ」とするため忌中の参拝は控え、慶事や賑やかな集まりも遺族の心情に配慮して避けるのが一般的です。
たとえば、「気分転換になるから」といった善意でも、忌中・喪中の遺族への誘いは心理的負担になりかねません。
ただし、忌明け後の喪中であれば状況は異なります。
故人をしのびながらも徐々に日常生活へ戻るため、親しい友人との食事会や旅行などに参加する遺族もいます。
重要なのは、葬儀後に支援者がやってはいけない内容を認識し、遺族の気持ちを最優先に考えることです。
葬儀後の遺族に対する正しい寄り添い方
遺族は葬儀後も悲しみを抱えたまま、生活を続けていきます。
そのため、支援者は以下の3点に注意して寄り添うことが大切です。
- ありのままを受け入れる
- 法要の準備や遺品整理を手伝う
- つらいときに相談できる場所を紹介する
正しい寄り添い方について、それぞれ解説します。
正しい寄り添い方①:ありのままを受け入れる
葬儀後の遺族は大切な人との別れにショックを受け、感情のコントロールが難しい状態にあります。
このような時期の正しい寄り添い方は、遺族の悲しみや混乱といったありのままの状況を受け入れることです。
支援者が以下のような対応をすれば、遺族は心の整理ができ、悲嘆から回復するプロセスが進みやすくなります。
- 遺族の話を傾聴する
- 苦痛を理解しようとする
- 安心して気持ちを表出できる関係を作る
葬儀後の悲しみから立ち直るには時間が必要で、人によっては数年かかるケースもあります。
できるだけ正常に悲しみからの回復過程を進むには、ありのままを受け入れるという支援者の姿勢が重要です。
正しい寄り添い方②:法要の準備や遺品整理を手伝う
葬儀後の遺族に対する具体的な支援として、法要の準備や遺品整理を手伝うことも正しい寄り添い方の1つです。
遺族は各種届出や相続手続きなど、葬儀後も多くの対応に追われています。
これらの負担が重なると遺族は悲しみと向き合う時間や、心の回復に必要な精神的ゆとりを失ってしまいます。
とくに、遺品整理は故人との思い出と向き合う感情的につらい作業であり、物理的な労力も必要です。
心が不安定な状態の遺族がこうした作業を1人で行うと、葬儀後に体調を崩してしまう恐れがあります。
しかし、支援者がサポートすれば、遺族の負担軽減につながります。
ただし、「これは捨てた方がよい」といった無理強いや「早く片付けよう」のように急かすことは避けましょう。
なお、遺品整理の費用相場や業者を探すポイントについて知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】遺品整理の費用相場は?費用の抑え方や業者を探す際のポイントを解説
正しい寄り添い方③:つらいときに相談できる場所を紹介する
つらいときに相談できる場所を遺族に紹介することも、支援者ができる正しい寄り添い方です。
葬儀後の遺族は、忙しさに紛れて気づかなかった心身の疲労などに、どっと襲われるケースも少なくありません。
とくに、四十九日の法要後は、周囲のサポートが薄れて喪失感の強まる場合があります。
支援者が遺族に寄り添い続けることは難しいため、以下のような専門的なサポートを紹介するとよいでしょう。
- 手続き代行サービス
- グリーフケア(※)サービス
※大切な人を失った悲しみからの回復に向けた専門的なケア
上記のような情報を伝えることは、遺族が前に進むきっかけ作りにつながります。
支援者は葬儀後における遺族の状況を理解し、適切な相談先やサービス情報を提供する姿勢が大切です。
葬儀後の遺族にかかる負担を減らしたい方は
葬儀後の遺族は、悲しみへの対処や諸手続きといった多くの負担を抱えています。
親しい方々の支援だけでは十分なケアが難しい場合、悲しみに寄り添う専門家の助けを借りることも、遺族の負担を和らげる有効な選択肢です。
専門家は、葬儀後の遺族にやってはいけないことを避け、適切なサポートを提供します。
弊社斎奉閣では、悲しみに暮れる遺族の支援として、専門家のグリーフケア士を配置しています。
グリーフケア士は、豊富な経験と専門的視点から、遺族1人ひとりの状況に寄り添うことが可能です。
三重県内で23会館を展開し、葬儀施行数No.1(※)を誇る実績は、多くの遺族を支えてきた証です。
※当社調べ/2024年1月~12月の四日市市、いなべ市、東員町、桑名市、菰野町、亀山市、津市、名張市、伊賀市内の斎奉閣・和ごごろ23会館合計葬儀施行数
また、斎奉閣の葬儀後サポートでは、葬儀後に遺族が行う法要や相続手続きなどの支援も実施しています。
専門家のサポートを受けながら、少しずつ葬儀後の心身負担を軽減していくことで、遺族は回復への一歩を踏み出せます。
悲しみを癒すための支援として、まずはグリーフケアページをご覧いただき、お気軽にご相談ください。
まとめ:支援者側も葬儀後にやってはいけないことを把握しておこう
大切な人を亡くした場合、遺族が以前のような日常生活に戻るには時間を要します。
支援者は、葬儀後にやってはいけないことを理解し、遺族の心情に配慮した行動が重要です。
弊社斎奉閣では、遺族の苦しみに寄り添って支援するグリーフケア士を配置しています。
専門家による支援を受けて心身の負担を軽減し、新たな生活に進みたい方はグリーフケアページをぜひ一度ご覧ください。
グリーフケアとは
- 食欲がない
- 体がだるく疲れやすい
- 理由もなく泣き出す
- 大切な人の死を防げなかった自分に罪悪感を覚える
- 人生がむなしく感じ、意味のないものに思える
このようなときにグリーフケア士をお頼りください
この記事の監修者
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