葬儀前後の流れと必要な手続き一覧|起きやすい心身の不調や相談先も解説
葬儀前後の遺族は、やることが非常に多く、なかには煩雑な手続きを踏まなければならないものもあります。
本来なら強い悲しみを抱えているものの、忙しさに追われて自分の感情にまで気が回らないというケースも考えられます。
しかし、葬儀後になってどっと疲れや悲しみに襲われる場合もあるでしょう。
この記事では、葬儀前後の流れや手続き、葬儀後に起きやすい心身の変化について解説します。
葬儀後にやってはいけないことや相談できる場所についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次

葬儀前後の流れ
葬儀前後はやるべきことが多いため、まずは流れを把握しておくと安心です。
時期・日数 |
流れ |
亡くなった当日 |
1.死亡診断書を受け取りコピーをとる |
翌日~7日以内 |
1.死亡届を提出する |
~四十九日 |
1.健康保険・介護保険の資格喪失届を提出する |
表で紹介した手続きのほかに、葬儀後は金融系の手続きやライフラインの解約など、数多くのやるべきことが発生します。
なお、斎奉閣では、葬儀前はもちろん葬儀後についての不明点や不安にもお答えしております。
わからないことがある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
親が亡くなったあとにするべき手続きを時系列に沿って詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしましょう。
【関連記事】親が亡くなったらすることリスト~手続きを時系列でご紹介~
葬儀後に必要な手続き一覧
葬儀後に必要な手続きを一覧で紹介します。
種類 |
手続き |
資格喪失・返還関連 |
健康保険の資格喪失届 |
介護保険の資格喪失届 |
|
年金受給停止 |
|
世帯主変更 |
|
免許証返還 |
|
清算関連 |
葬儀代の支払い |
故人の住民税納税 |
|
請求関連 |
生命保険の請求 |
遺族年金の請求 |
|
高額医療費の還付請求 |
|
葬祭費または埋葬料の請求 |
|
名義変更・解約手続き |
公共料金の名義変更・解約 |
各種契約(クレジットカード、ネット回線、電話など)の解約 |
|
相続手続き |
遺言書の検認 |
相続放棄または限定承認 |
|
故人の確定申告 |
|
相続税の申告 |
まずは公的手続きを進めましょう。
その後、期限が差し迫っているものから順次進めていくことをおすすめします。
葬儀後に起きやすい心身の変化
葬儀後に起きやすい心身の変化を、以下の2つに分けて解説します。
- 悲嘆反応
- 体調不良
忙しくてあまり感じられていなかった疲労感も、葬儀後になってどっと襲ってくるケースもあります。
それぞれどのような変化があるのか、みていきましょう。
心身の変化①:悲嘆反応
悲嘆反応とは、喪失体験によってあらわれる心や身体のさまざまな反応です。
急性期には、悲しみが強く、感情がまひしてしまったような感覚や亡くなった現実が信じられないといった状態になります。
その後、慢性期へと移行し、下表のような症状となってあらわれます。
精神症状 |
・深い悲しみ |
身体症状 |
・睡眠障害 |
行動上の変化 |
・1日中ぼんやりとする |
喪失によりあらわれた自然な反応として捉え、時間をかけて悲しみと向き合いましょう。
信頼できる人に話したり、相談機関のサポートを受けたりといった選択も視野に入れておくと安心です。
なお、斎奉閣では、これらの悲嘆をゆっくり癒すためのグリーフケアにも対応しております。
専門知識のあるスタッフが丁寧に対話いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
悲嘆反応のプロセスや少しずつ和らげるための方法を知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしましょう。
【関連記事】悲嘆反応とは?プロセスや期間を解説|つらさを少しずつ和らげる対処法も
心身の変化②:体調不良
葬儀後に悲嘆反応が長引くと、以下のような病気へつながってしまうおそれがあります。
- 遅延性悲嘆症
- うつ病
- PTSD
- 不安障害
- 依存症
遅延性悲嘆症とは、喪失による悲嘆が強くあらわれたり長時間続いたりすることで、日常生活に影響が出てしまう状態です。
悲嘆反応が6か月〜12か月を超えて続くと、診断される可能性が高まります。
うつ病やPTSDといった疾患を伴うこともあり、抑うつ状態やフラッシュバックなどに悩まされる方もいます。
また、パニック障害や強迫性障害をはじめとした不安障害も起こりやすいため注意が必要です。
悲嘆反応が強い場合、アルコール・薬物への依存や希死念慮が芽生える危険性もあるため、専門機関で適切なケアを受けることが大切です。
無理せずに、早めの受診・相談を心掛けましょう。
葬儀後にやってはいけないこと
葬儀後はしきたり上、やってはいけないことがあります。
身内が亡くなってから四十九日までを忌中・1年が過ぎるまでを喪中とし、この期間はお祝い事や娯楽を避けて慎ましく過ごします。
お祝い事の代表格ともいえる結婚式は、出席も開催も喪中が過ぎるまで避けた方が無難です。
お正月はお祝いを避け、新年を祝う挨拶や初詣も控えます。
喪中は年賀状ではなく、喪中はがきを出しましょう。
忌中は旅行・飲み会を避けることが一般的ですが、飲み会に限っては四十九日以降節度をもって参加してもかまいません。
また、「悲しみの感情に蓋をする」「無理に明るく振舞う」といったことは、悲嘆反応を長引かせてしまう原因になりかねません。
心身に負担をかけることは避けて、まずは悲しみの感情と向き合うことが大切です。
葬儀後について相談できる場所
葬儀後について相談できる場所について、以下2つの種類に分けて紹介します。
- 各手続きの代行サービス
- グリーフケアの専門家
それぞれ相談したい内容ごとに適した専門家・機関などをみていきましょう。
相談先①:各手続きの代行サービス
葬儀後にはさまざまな手続きが必要なため、すべてをこなすことが難しい場合もあります。
そのような場合は、下表をはじめとした手続きに強い専門家へ依頼すると安心です。
手続き・サポート |
適した専門家 |
故人の確定申告や税金関係 |
税理士 |
相続人調査 |
行政書士、司法書士 |
遺言書の検認 |
司法書士、弁護士 |
相続放棄 |
司法書士、弁護士 |
遺産分割調停・審判 |
弁護士 |
遺産分割協議書の作成 |
司法書士、行政書士、弁護士 |
不動産の相続登記 |
司法書士 |
預貯金の相続手続き |
司法書士、行政書士 |
遺族年金・給付金関係 |
社会保険労務士 |
上記は例のひとつですが、このように考えておくとわかりやすいでしょう。
- 税理士:税金関係の相談、申告
- 行政書士:官公署に提出する書類作成代行
- 弁護士:裁判や調停をする際の代理人
- 司法書士:不動産登記をはじめ相続人登記
また、銀行も専門家と提携しているため、相続についての相談が可能です。
専門家の種類だけでなく、事務所によっても強みに違いがあるため、「どの分野に強みがあるか」確認して選定する必要があります。
相談先②:グリーフケアの専門家
葬儀後に起こりうる心身の変化に悩んでいる方は、グリーフケアの専門家を頼りましょう。
グリーフケアとは、死別や喪失における深い悲しみから再び歩き出すためのサポートを指します。
グリーフケアでは、まず悲しみを自分のこととして受け入れることが大切です。
しかし、故人が亡くなってから遺族は忙しく、感情と向き合う時間がない場合も考えられます。
そして、いつしか心身の変化となってあらわれる方もいるでしょう。
グリーフケアの専門家は悲しみが癒えるためのプロセスへの理解や、グリーフワークに関する知識をもっており、感情と向き合う助けになってくれます。
専門家によるグリーフケアを受けられる場は、病院のグリーフケア外来や一般法人が運営するグリーフケア士によるカウンセリングなどです。
自治体の公式サイトでも相談機関を掲載している場合があるため、早めに相談しましょう。
葬儀後の手続きで心身の疲れを感じている方は
斎奉閣では、葬儀後の手続きで心身の疲れを感じている方や悲しみを抱えた方に寄り添う「グリーフケア士」が在籍しております。
専門家による個別相談を通して、以下のようなつらさを抱えている方の心を癒せるようお手伝いいたします。
- 食欲がない
- 倦怠感があり疲れやすい
- 理由もなく泣いてしまう
- 大切な人の死について、自分に罪悪感がある
- 人生がむなしく感じ、無価値に思える
葬儀後に必要な法要や供養についてもサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ:葬儀後はやることがたくさんあり疲れが出やすい
葬儀後はやることがたくさんあり、心身ともに疲れが出やすい時期です。
しかし、手続きには期限があり、日常生活も送らねばならず、なかなか休めないという方も多いでしょう。
そのため、自分でも気づかないうちに日常生活に支障が出ていたという場合もあります。
なお、斎奉閣では、葬儀後の手続きをはじめ、さまざまな角度からご遺族の方をサポートしております。
葬儀後の心身に変化があった方には、グリーフケアの専門家が悲しみを癒すためのお手伝いをいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
グリーフケアとは
- 食欲がない
- 体がだるく疲れやすい
- 理由もなく泣き出す
- 大切な人の死を防げなかった自分に罪悪感を覚える
- 人生がむなしく感じ、意味のないものに思える
このようなときにグリーフケア士をお頼りください
この記事の監修者
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