三回忌とは?準備や流れ、お布施などについてわかりやすく解説

公開:2023.06.23  更新:2024.02.16

三回忌とは?準備や流れ、お布施などについてわかりやすく解説 葬儀は1回で終わりではありません。
いわゆる本葬儀を済ませたあとも、初七日、四十九日、百箇日、一周忌などのように、定期的に法要を行うのが慣習となっています。

そして、それらに続いて行われるのが、三回忌です。
しかし、三回忌という言葉は聞いたことがあっても、具体的にいつやるのかまでは知らない、という人も多いのではないでしょうか。

三回忌では、「何をするべきなのか」「気をつけるべきマナーとしてどのようなものがあるのか」など、知っておくべきことはたくさんあります。

そこで、三回忌についての一通りの情報を分かりやすく解説します。
最後まで読むことで、三回忌について知識不足で困ることはなくなるでしょう。

▼気軽にご相談ください。  

三回忌とは

三回忌とは 三回忌とは、一周忌の次に行われる法要です。

注意すべきなのは、故人が亡くなってから2年後に行う点でしょう。
現代の人々が三回忌という名前からイメージするのは、3年後ではないでしょうか。

しかし、三回忌は亡くなった日を最初の忌日として考えるため、満2年後が三回忌となります。
基本的には、亡くなった日の2年後のちょうど命日に行います。

たとえば、2021年4月1日に亡くなったのであれば、三回忌は2023年4月1日です。
しかし、遺族や参列者の都合もあるので、前後で日にちを調整するのが一般的なこととなっています。

宗派にもよりますが、仏教の教えによれば、三回忌のタイミングで故人の魂が裁きを受けるとされています。
そこで法要を行うことにより、故人がより良い道へと進めるように願いを込めるのです。これが三回忌の目的です。

【関連記事】七回忌とは?必要な準備や流れ、服装などのマナーを解説  

三回忌法要に必要な準備

三回忌法要に必要な準備 三回忌法要に必要な準備は、以下の5ステップです。

  1. 会場と日時を決める
  2. お寺に連絡する
  3. 案内状を送る
  4. 会食の手配
  5. 引き出物の準備

順番に見ていきましょう。  

準備①:会場と日時を決める

まずは三回忌を行う会場と日時を決める必要があります。

会場として選ばれるのは、一般的に自宅・お寺・斎場のいずれかです。
法要の規模や参列者の事情などを総合的に考えて、もっとも利用しやすい場所を選ぶことをおすすめします。

日時についても同様です。 現代では働き方も多様化しているので、土日であれば必ずしも参列する時間的余裕があるとは限りません。
故人と近い間柄にあった人がきちんと参列できるよう、参列者たちの事情をしっかり汲み取ってスケジュールを組むことが求められます。  

準備②:お寺に連絡する

菩提寺がある場合には、三回忌を行う旨をお寺に連絡します。
先方と相談し、日程・会場・全体の流れの3つを確認します。

お寺以外を会場とするのであれば、僧侶の移動手段などについても確認する必要があるでしょう。

また、お布施についてどうすべきかわからず不安な人は、事前にお寺と相談しておきましょう。  

準備③:案内状を送る

会場と日程が決まったら、参列者として招く人々に案内状を送ります。
通夜や本葬儀であれば案内状なしで参列も可能ですが、法要は案内状をもらわないと準備もできません。

会場と日程が決まり次第、できるだけ早く案内状を送りましょう。
早ければ早いほど、参列者が余裕を持って準備できます。

会食や返礼品の準備も必要であるため、参加の可否をできるだけ早く伝えてもらえるよう工夫しましょう。
たとえば、返信用のはがきを同封し、返信の期日を設定しておくといった方法が有効です。  

準備④:会食の手配

参列者が決まったら、会食を手配します。

通夜や本葬儀とは違って、招待していない人物が不意に訪れることはないので、基本的に数は決まっています。
しかし、何かしらトラブルがあることも想定して、少し多めに手配しておくとよいでしょう。

料理のクオリティは、予算と相談して決めることになります。
無理のない範囲で、しかし法要としてしっかり形が整う程度のものを用意しましょう。  

準備⑤:引き出物の準備

三回忌の法要においては、参列者が香典を持参するのが一般的です。
それに対して、施主は返礼品を用意する必要があります。

返礼品の相場は、受け取る香典額の2分の1から3分の1程度と言われています。
三回忌法要の場合、1,000円から5,000円ほどの範囲で用意することをおすすめします。

品物としては消耗品が人気です。
お茶やお菓子などの食料品、あるいは石鹸やタオルといったものが多く選ばれています。  

三回忌法要の流れ

三回忌法要の流れ 三回忌法要の流れは、以下の通りです。

  • 挨拶
  • 読経
  • 焼香
  • 法話
  • 終了の挨拶
  • 会食

明確なルールはありませんが、多くの場合この通りに進行します。以下で具体的に見ていきましょう。

【関連記事】法事とは?服装やマナー、法要との違いをわかりやすく解説  

挨拶

まずは施主による法要開始の挨拶があります。
挨拶において重要なのは、あまり長くしすぎず、簡潔に短くまとめることです。
たとえば、以下のような最小限の内容でも、とくに問題はないでしょう。
「本日はご多忙のところ、お集まりいただき誠にありがとうございます。これより、○○の三回忌法要を行いたいと思います」  

読経

挨拶が終わると、僧侶による読経が始まります。
宗派によって異なりますが、お経を読む理由には回向(えこう)の考えなどがあるといわれています。
回向とはお経を読むことで得た徳を、故人に与えることで故人の浄土への力添えとするなどの意味。  

焼香

参列者による焼香が始まります。
一般的には、前方に座っている人から順番に焼香を行っていきます。
具体的な焼香の作法は宗派によって異なることもあるので、事前に調べておくとよいでしょう。  

法話

参列者すべての焼香が終わったら、僧侶による法話が始まります。
法話とは、仏教の教えを習得した僧侶が、その教えを一般の人々に分かりやすく説いて聞かせるものです。
三回忌法要の場合、約5分の軽い法話が語られるのがほとんどです。  

終了の挨拶

法話が終わると、僧侶が退場します。
これにより三回忌法要のメインの部分は終了となります。

僧侶が退場したあとに、お布施やお車代、御膳料などを渡すのが一般的です。
ただし、僧侶が会食に参加する場合は、御膳料を渡す必要がないので注意しましょう。  

会食

終了の挨拶が済んだら、会食です。
会食は参列者をもてなす目的で設けられるものであり、比較的くだけた雰囲気で進められます。
自宅やお寺で三回忌法要を行った場合は、別室あるいは料理店などに移動して会食を行うこともあります。  

三回忌法要のお布施について

三回忌法要のお布施について 三回忌法要を行った場合は、読経をあげてくれた僧侶にお布施を渡さなければいけません。

ここではお布施の金額および表書きの書き方について、一般的なところを解説します。

【関連記事】お布施とは?金額相場や渡すタイミングなどを分かりやすく解説  

金額

三回忌法要におけるお布施は、10,000円から50,000円程度が相場です。
しかし、10,000円と50,000円では大きな違いがあるため、今回の法要にふさわしい金額がわからない場合も多いでしょう。
お布施の金額について迷ったときは、遠慮せず僧侶に直接お布施の金額を尋ねてみることをおすすめします。  

表書きの書き方

お布施を渡すときには、現金をそのまま手渡してはいけません。

三回忌法要の場合、のし袋ではなく白い封筒にお札を入れるのが一般的なマナーです。
このとき、二重になっている封筒を使うのは「不幸ごとが重なる」という意味になってしまうので避けましょう。
封筒の表書きには、「お布施」または「御布施」と書くのが一般的です。

その下に「○○家」などのように施主の姓を書きましょう。 あるいは施主の氏名を書くのでも問題ありません。
文字は薄墨ではなく、真っ黒な墨で書いてください。  

三回忌法要に参列する際のマナー

三回忌法要に参列する際のマナー 三回忌法要に参列する側のマナーとしては、以下の4つが挙げられます。

  1. 案内状の返事を早くする
  2. できるだけ参加する
  3. 服装は喪服でなくてよい
  4. 香典袋の書き方

一つひとつ解説します。  

マナー①:案内状の返事を早くする

案内状の返事は、できるだけ早く出しましょう。
施主はなるべく早く参列者の総数を把握し、会食に必要な料理や引き出物の数を決めたがっているからです。
返事が遅れると、それだけ施主が慌てて準備しなければならなくなりますので、速やかに返信することがマナーとなります。  

マナー②:できるだけ参加する

案内状が届いた場合、よほどの事情がない限り参列しましょう。
案内状が送られてきた時点で、あなたは施主から「参列してほしい特別な人である」と認識されているからです。
もちろん必ず参加できるとは限らないので、その場合にはお断りをすることになります。
お断りの際にやるべきことについては後述します。  

マナー③:服装は喪服でなくてよい

参列者の服装は、喪服にする必要はありません。
しかし、もちろん普段着でよいというわけではなく、ブラックフォーマルを基本とした略式喪服を着用するのが一般的です。
スーツやワンピースの色は、紺色やグレーでも問題ありません。
しかし、ワイシャツは白を選び、ネクタイや靴下、革靴などは黒で統一しておきましょう。  

マナー④:香典袋の書き方

香典袋の表書きは「御仏前」または「御供物料」などと書いておきます。
その下に自分の名前をフルネームで書いてください。
薄墨は使わず、真っ黒な墨で書くのがマナーです。  

三回忌法要に参列できない場合

三回忌法要に参列できない場合 どうしても参列が難しいときには、施主に丁寧な断りの連絡を入れたあと、本来渡すはずだったお供え物や供物料を郵送しましょう。
そこにお詫びの手紙も同封しておくと、より申し訳ない気持ちが伝わるのでおすすめです。
そして日を改めて、参列できなかった旨を詫びる電話をかけておくと、より手堅いフォローとなります。  

まとめ

まとめ 三回忌法要について理解しておくべきことを、一通り解説しました。

本葬儀から三回忌法要までは、現代においてもきちんと執り行うべきものであるとされています。
三回忌のあとには七回忌や十三回忌などもありますが、その辺りは省略されるケースも増えてきます。
まずは、三回忌法要までの知識を身に付けておけば、法要で困ることはないでしょう。

この記事を参考にして、スムーズに三回忌法要を済ませられるようになっておきましょう。

また葬儀に関するお悩みがある方は、無料事前相談ページをご覧ください。
【関連記事】四十九日法要とは?計算方法や香典、お布施の基礎知識を徹底解説
【関連記事】初七日法要とは?香典や服装、お供え物についてわかりやすく解説
【関連記事】一周忌法要とは?準備や流れ、お供えについてご紹介  

▼気軽にご相談ください。   この記事の監修者

竹森資洋(たけもり たかひろ) 名張・伊賀地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター

お葬式後について