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家族葬に祭壇はあり?なし?祭壇の役割や種類、決める際のポイントを解説

公開:2023.11.22

祭壇

家族葬は、親しい家族や友人だけで故人を偲ぶための葬儀形式として、注目を集めています。

一般的に家族葬の形式はとてもシンプルであり自由です。 しかし家族葬においても、一般的な葬儀と同様に祭壇の設置は重要な要素となります。
祭壇は故人への敬意を示すものであると同時に、故人を偲ぶ場をきちんと作る役割も果たすからです。

とはいえ祭壇の種類は多岐に渡り、どのような祭壇を選べばよいのか悩む方は多いのではないでしょうか。
一般人が祭壇に詳しいケースは少なく、ほとんどの場合、知識のない状態で判断を迫られることになるでしょう。

この記事では、家族葬における祭壇の役割や種類、祭壇を決める際のポイントについて詳しく解説します。

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家族葬にも祭壇が必要な理由

浄土宗の祭壇

家族葬は、親しい家族や友人だけで故人を偲び、人生を讃えるためのシンプルで心温まる葬儀形式です。
しかしシンプルが基本であるとはいえ、祭壇の存在はとても重要となります。理由は以下のようなものです。  

 

⦅故人への敬意を示す⦆ 祭壇は、故人への敬意を示す場となります。祭壇の前で、家族や友人は故人に対する感謝や愛情を表現するのが一般的な形です。祭壇には故人の遺品や遺影、お花などが飾られ、故人の存在を感じられるように演出されます。  

 

⦅葬儀の進行を支える⦆ 祭壇は葬儀の進行を支える役割も果たします。読経や祈り、お別れの言葉など、祭壇の前でおこなうのにふさわしい儀式が数多くあるからです。祭壇は葬儀の中心的な存在であり、故人と参列者をつなぐ架け橋となります。  

 

⦅装飾としての役割⦆ 祭壇は、家族葬の場を美しく装飾する役割も果たします。 家族葬においては、祭壇のデザインや装飾に故人の趣味や人生のテーマを色濃く反映させることが可能です。 故人の、特色や個性を感じさせる祭壇は、参列者に生前の故人の記憶を呼び起こさせることでしょう。  

 

祭壇の種類と相場

お線香を取る手

祭壇は、故人を送り出す場として重要な役割を果たしますが、種類は多岐にわたります。
代表的な祭壇として、ここでは以下の5つをピックアップしました。

  1. 白木祭壇
  2. 神式祭壇
  3. キリスト教式祭壇
  4. 花祭壇
  5. オリジナル祭壇

順番に見ていきます。  

種類①:白木祭壇

白木祭壇は、名前の通り白い木材を使用した祭壇で、シンプルで清潔感があるのが特徴です。
和風の雰囲気を持ちつつも、モダンでシンプルなデザインが多いため、多くの家族葬で選ばれています。
故人の遺影や花などを配置するスペースを確保できるため、カスタマイズしやすいのもメリットといえるでしょう。

白木祭壇の価格は、サイズやデザイン、不足するアイテムにより異なります。
低価格のもので約10万円から、高価なものであれば100万円を超えるケースもあると考えておきましょう。
レンタルするのであれば、より低価格で利用できます。  

種類②:神式祭壇

神式祭壇は、日本の伝統的な神道の儀式に基づいてデザインされた祭壇を指します。
神聖かつ荘厳な雰囲気を持ち、神道の象徴や装飾が施されているのが特徴です。
神道の神具やお神酒、お供物などを用意したうえで、神道に基づく祭祀をおこなうのが一般的なスタイルとなります。

また、白木を素材にして作られているパターンが多いのが特徴です。
三種の神器のレプリカを飾るのが一般的に見られる形式となります。
神式祭壇は、通常サイズのもので約30万円からが相場です。より大きく装飾的なものを選ぶほど、価格が高くなる傾向にあります。  

種類③:キリスト教式祭壇

キリスト教式祭壇は、キリスト教の教えと儀式に基づいてデザインされています。
クロスや聖書、キャンドルなどキリスト教の象徴的なアイテムを配置できるよう設計されているのが特徴です。
他の宗教と比べると、飾り付けが質素なことも特徴の一つといえるでしょう。
両脇にろうそく、祭壇の手前には棺、棺の奥中央には遺影を置くのが一般的な配置です。
遺影のそばには白い花を飾ります。 葬儀会場でおこなう場合には、必ず十字架を置くのもキリスト教式祭壇ならではです。

具体的な飾り方については、教会ごとに決まりがあるため、神父や牧師と相談して細かい内容を詰めていきましょう。
たとえばカトリックとプロテスタントでは多くの部分で違いがあります。
混同することの許されない部分であるため、しっかり把握しておかなければいけません。
キリスト教式祭壇の価格は、約30万円からが相場です。  

種類④:花祭壇

花祭壇は、色とりどりの花々で装飾された美しい祭壇です。
故人の好きだった花や季節の花を用いて、温かく、かつ明るい雰囲気を作り出します。
花祭壇は、故人の遺影や名前を中心に配置し、周辺を花や緑で囲むのが一般的です。
自然の美しさや生命を感じさせるデザインとなっています。

生花を使用するのが一般的ですが、造花を使っても構いません。
造花を使って作られる祭壇は「アートフラワー祭壇」とも呼ばれます。
昔と比べて花の加工技術が進んでいるため、造花を使っても見た目はほとんど生花と変わりはありません。
むしろ造花は傷むことがなく、使い勝手が良い分メリットが大きいという解釈もできます。
花祭壇は、一般的なサイズで約20万円からが相場です。  

種類⑤:オリジナル祭壇

オリジナル祭壇は、故人の個性や趣味、家族の意向を反映したオーダーメイドの祭壇です。
故人の好きだったアイテムや趣味を取り入れることで、故人の人生や個性を讃える独自のデザインが実現できます。
故人が生前にオリジナリティあふれる葬儀を希望する場合もあるでしょう。
家族葬においてはほぼすべてが自由であるため、既存の形式にとらわれない発想で葬儀や祭壇をデザインすることは十分可能です。
オリジナルの祭壇はデザインや使用する材料によって、価格が大きく異なります。  

祭壇を決めるときのポイント

祭壇の飾り物

祭壇を選ぶ際のポイントとしては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 故人の意向や人柄で決める
  2. 宗教で決める
  3. 規模や予算で決める

一つひとつ解説します。  

ポイント①:故人の意向や人柄で決める

祭壇選びのもっとも重要なポイントは、故人の意向や人柄を反映させることです。
故人が生前どのような価値観や趣味を持っていたのか、どのような人生観を持っていたのかなどを考慮することが大切となります。
たとえば、個人の趣味や好みを祭壇のデザインや装飾に反映させることで、より強く故人の人柄を偲ぶことが可能になるでしょう。

故人が花を好んでいたのであれば花祭壇を、自然を愛していたのであれば自然素材を用いた祭壇を選ぶなどが考えられます。
故人の意向や人柄を理解している自信がなければ、故人が親しくしていた友人と決めるのもおすすめです。
家族には見せていなかった面を友人には見せていた可能性もあるため、より立体的に故人の人となりが立ち上がるでしょう。

【関連記事】家族葬はどこまで呼ぶ?参列者の決め方や決める際の注意点をわかりやすく解説  

ポイント②:宗教で決める

宗教は祭壇選びにおいて重要な要素であり、故人や家族の進行を反映する祭壇を選ぶことが求められます。
宗教に基づいた祭壇選びは、故人の信仰を尊重し、宗教的な儀式を適切におこなうために不可欠です。
仏教徒であれば仏式の祭壇、キリスト教徒であればキリスト教式の祭壇、神道を信仰していれば神式の祭壇を選ぶことになるでしょう。
宗教に基づいた儀式をおこなう場合、祭壇の配置や装飾、サイズなども儀式にあわせて選ぶことが大切です。  

ポイント③:規模や予算で決める

祭壇選びにおいては、葬儀の規模や予算も重要な要素です。
家族葬は親しい家族や友人だけでおこなうことが多いため、規模や予算にあわせて祭壇を選ぶことが求められます。
たとえば祭壇のサイズやデザインなどは、真っ先に決めるべき要素でしょう。
小規模な家族葬であればシンプルでコンパクトな祭壇がふさわしいケースが多く見られます。

予算内で適切な祭壇を選ぶためには、祭壇のレンタルや中古の祭壇を検討することも重要です。
安かろう悪かろうと開き直るのではなく、コストを抑えつつも故人を偲ぶ適切な祭壇選びを模索するべきでしょう。  

家族葬の祭壇で悩んだら、プロに相談しよう

手を合わせる女性

家族葬の祭壇選びは、故人の意向や家族の想い、宗教上のルール、予算など多くの要因を考慮する必要があります。
場合によっては、非常に難しい選択となることもあり得るでしょう。

適切な祭壇選びや装飾の仕方、必要な予算などは、知識がなければ正確に判断できないからです。 故人を偲ぶ祭壇は、家族葬の中心となる要素であることはいうまでもありません。
適切な祭壇を選ぶことは、葬儀をよりよいものにするためには不可欠となります。

しかしそれがわかっていても、自分たちだけではなかなか適切なものを決められないのが現実です。

斎奉閣では、家族葬に特化した葬儀サービスを提供しています。 故人の意向や家族の想いを大切にしつつ、適切な祭壇選びをサポートすることが可能です。 家族葬に関するどのような疑問やお悩みに対しても、適切なアドバイスをご提供いたします。

詳しくは家族葬とはを参照してください。  

まとめ:家族葬の祭壇選びについて

家族葬の祭壇選びは、心のこもった葬儀を遂行するうえで非常に重要な要素です。

祭壇は家族葬の場の中心となるものであり、故人の人生や家族の想いを表現するものとなるため、適切に選ぶ必要があります。
祭壇の種類は多岐にわたり、適切なものを選ぶには、それぞれの祭壇が持つ特徴や雰囲気をきちんと理解することが重要です。

故人の好みなどを反映させることを、とくに意識しましょう。
宗教的な要件や予算なども、祭壇選びに影響を与える要素です。

一連の事情をすべて鑑みたうえで、家族や友人と協議しながら、できるだけ不満の少ない形で選択することが望まれます。

三重県において家族葬の祭壇でお悩みの方は、ぜひ斎奉閣までお問い合わせください。
故人にふさわしい、最適な祭壇を選べる準備をサポートいたします。

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竹森資洋(たけもり たかひろ) 名張・伊賀地区斎奉閣 館長 1級葬祭ディレクター