葬儀後に体調不良で休むのは避けるべき?不調の原因や対処法を解説

公開:2025.07.17

葬儀後に体調不良で休むのは避けるべき?不調の原因や対処法を解説

葬儀後の体調不良は、「悲しみを受け止めようとする心と体の反応」です。
葬儀は、大切な人との別れという精神的ショックに加え、弔問客の対応や手続きなどによる疲労や睡眠不足が蓄積しやすい時期です。

悲しみに向き合う時間が取れないまま、体が限界を迎えるのは決して不思議ではありません。
それでも、「周囲に迷惑をかけたくない」と無理に日常生活へ戻ろうとする方も多いのではないでしょうか。

この記事では、葬儀後に起こりやすい体調不良の原因や症状、対処法について解説します。
周囲ができる配慮やサポート方法もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
 

▼気軽にご相談ください。

 

葬儀後に体調不良で休むのは非常識?

葬儀のあとに体調を崩し、仕事や予定を休むことは、決して非常識ではありません。
たとえば、通夜から葬儀までを滞りなく終えた翌朝、強い倦怠感で起き上がれなかったり、涙が止まらなかったりする方もいます。

とくに、喪主や遺族は、悲しむ間もなく対応に追われがちです。
そのため、葬儀が終わった瞬間、心と体が一気に力を失ったように体調を崩すケースも多々あります。

そうした状態で無理に出社しても、集中力が続かず、業務に支障をきたしかねません。
無理を重ねてしまうと不調が長引き、心身の回復が遅れてしまう可能性もあります。

まずは、心や体が発するサインに耳を傾け、しっかりと休息を取ることが大切です。
体調がすぐれないときは、できるだけ早めに上司や人事部へ連絡し、自分の状況を伝えましょう。

なお、葬儀後の忌引き休暇を取得する方法について振り返りたい方は、下記の記事をチェックしてください。

【関連記事】忌引き休暇とは?申請方法や取得可能日数などの疑問を解消!

 

葬儀後に体調不良を起こしやすい原因

葬儀後に体調を崩しやすくなる主な原因は、以下の3つです。

  1. 大切な人が亡くなった実感がわいてくる
  2. 葬儀前後で蓄積した疲れがどっと出てくる
  3. 葬儀後もさまざまな対応に追われる

それぞれの要因を、詳しく見ていきましょう。

 

原因①:大切な人が亡くなった実感がわいてくる

葬儀後は、亡くなった現実を徐々に受け入れはじめる時期です。

葬儀中は、親族や弔問客への対応、諸手続きに追われ、悲しみを感じる余裕もないまま慌ただしい時間が過ぎていきます。
そのため、心が現実を受け止めきれないまま葬儀を終える人も少なくありません。

しかし、葬儀を終えて自宅に戻り、ふと1人になったとき、「もう会えない」という実感がこみ上げ、深い悲しみにおそわれる可能性もあります。
喪失感や孤独感は、想像以上に心と体に負担をかけます。
とくに突然の別れの場合、気持ちの整理が追いつかず、悲しみや混乱が長引きやすくなるでしょう。

 

原因②:葬儀前後で蓄積した疲れがどっと出てくる

「悲しんでいられない」と感情にふたをして動いていた人ほど、葬儀後に力が抜け、どっと疲れが出てくる傾向があります。

葬儀前後は、決めなければならないことが多く、心身ともにフル回転です。
とくに、喪主や遺族であれば、滞りなく葬儀を進めるために、さまざまな配慮や判断を求められます。
そうした責任感や緊張感は、気づかぬうちに精神的疲労として積み重なっていきがちです。

葬儀中は気を張っているため、疲れを自覚しにくくなります。
しかし、葬儀が終わって静かな日常に戻った瞬間、それまで蓄積されていた疲れが一気に押し寄せ、体調を崩してしまう可能性もあります。

 

原因③:葬儀後もさまざまな対応に追われる

「葬儀が終われば一段落」と思われがちですが、実際は以下のようにやることは山積みです。

  • 名義変更・解約手続き
  • 相続手続き
  • 供養の準備 など

諸手続きは期限が定められているのも多く、「早く対応しなければ」と気持ちばかりが焦りがちです。
加えて、親族とのやり取りや日程調整など、細かい気配りや対応も続きます。
精神的に落ち着く間もなくタスクに追われることで、ストレスが慢性化し、心も体もすり減ってしまうでしょう。

 

葬儀後に休むべき体調不良の状態

葬儀後に休むべき体調不良の状態は、下表のとおりです。

症状

対策

睡眠障害

・規則正しい生活を心がける
・就寝前にリラックスする習慣を持つ

食欲不振

・消化にやさしいものを少量でも摂取する
・バランスのよい食事を意識する

頭痛

・休憩を取る
・ストレッチする
・こまめに水分補給する

倦怠感

・散歩など、無理のない範囲で体を動かす
・気分転換の時間を確保する

胃腸の不調

・規則正しく食事生活を心がける
・胃に負担の少ない食品を選ぶ

免疫力の低下

睡眠・栄養をしっかりとる

葬儀後は精神的なショックや過労が重なり、体調を崩しやすい時期です。
一時的な反応で済む場合もありますが、無理を重ねると不調が慢性化し、回復までに長い時間を要する可能性もあります。
とくに、心の疲れは自覚しにくく、気づいたときには限界を超えているケースも少なくありません。

心身を整えるためにも、まずは今の状態を見つめ直し、自分を労る時間をつくりましょう。
生活に支障が出ているときは、早めに医療機関や専門家に相談することをおすすめします。

 

葬儀後の体調不良が続く場合の対処法

葬儀後の体調不良が続く場合、以下に挙げる2つの視点から対処することが大切です。

  1. 遺族側ができる対処法
  2. 遺族をサポートする側ができる対処法

なお、斎奉閣では、経験豊富な専門家が寄り添い、悲しみからの回復をサポートいたします。
身近な方の死を少しずつ受け入れ、心の負担を和らげたい方は、グリーフケアページをぜひご覧ください。

 

遺族側ができる対処法

遺族側ができる対処法は、下表のとおりです。

対処法

内容

悲しみに向き合う

・信頼できる人に気持ちを話す
・写真など故人との思い出にふれる
・日記やメモに気持ちを書く
・専門家に相談する

新しい生活に少しずつ目を向ける

・音楽を聴くなど好きなことを再開する
・消化によい食事を摂り、睡眠をしっかりとる
・小さな目標を立てて実行する
・サポートを受ける

悲しみは、無理に乗り越えようとする必要はありません。
まずはしっかりと休み、自分のペースで少しずつ気持ちを整えていくのがよいでしょう。

つらい症状を抱え込みすぎてしまう場合は、医療機関やグリーフケア専門の相談窓口を頼るのも選択肢の1つです。
焦らず、できることから始めてみましょう。

身近な人の死によるストレス対処法について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてチェックしてください。

【関連記事】身近な人の死によるストレスと心身の変化|心の痛みを和らげる方法も解説

 

遺族をサポートする側ができる対処法

遺族をサポートする側ができる対処法は、以下の3つです。

  1. ありのままの気持ちを受け止める
  2. 法要の準備や遺品整理を支える
  3. つらい時に相談できる場所を紹介する など

葬儀後は「励まし」よりも、「寄り添い」が必要な時期です。
悲しみや戸惑いなど遺族の感情をそのまま受け入れましょう。
心を開ける環境をつくれれば、回復への大きな助けになります。

 

葬儀後の体調不良でお悩みの方は

葬儀後の体調不良は、心と体が「休ませてほしい」と伝えている自然なサインです。
悲しみのなかで慌ただしく葬儀の準備や各種の手続きに追われると、体調はさらに崩れやすくなります。
1人で抱え込まずに周囲の支えやサービスを利用し、少しでも負担を軽くしましょう。

なお、斎奉閣では、葬式だけでなく、仏事や諸手続きなどの葬儀後サポートも行っています。
斎奉閣は三重県内で23会館を展開し、葬儀施行数No.1(※)の実績を誇る地域密着の斎場です。
※当社調べ/2024年1月~12月の四日市市、いなべ市、東員町、桑名市、菰野町、亀山市、津市、名張市、伊賀市内の斎奉閣・和ごごろ23会館合計葬儀施行数

斎奉閣には、現在5名のグリーフケア士が在籍し、そのうち1名は三重県初の上級グリーフケア士資格保持者です。
経験豊富な専門家が、1人ひとりの悲しみに寄り添い、心身の回復をサポートします。

葬儀後の体調不良でお悩みの方はグリーフケアページをご覧のうえ、ぜひお気軽にご相談ください。

 

まとめ:葬儀後の体調不良で休むのはごく自然なこと

大切な人を見送ったあとは、心身にさまざまな変化が表れるものです。

深い悲しみや蓄積した疲れの影響で、気力がわかず、思うように動けなくなるケースも珍しくありません。
無理に普段通りの生活に戻そうとせず、今の自分にできるペースで日常を整えながら、心と体をいたわる時間をつくっていきましょう。

それでも不安やつらさが長引く場合は1人で抱え込まず、グリーフケアの専門家に相談するのも1つの方法です。
葬儀後の体調不良にお悩みの方は、斎奉閣のグリーフケアページをぜひご覧ください。

グリーフケアとは

  • 食欲がない
  • 体がだるく疲れやすい
  • 理由もなく泣き出す
  • 大切な人の死を防げなかった自分に罪悪感を覚える
  • 人生がむなしく感じ、意味のないものに思える

このようなときにグリーフケア士をお頼りください

この記事の監修者

花岡一雅(はなおか かずまさ)四日市地区斎奉閣 館長 2級葬祭ディレクター

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